飲食店の仕入れ価格に影響も。円安など背景に4月までに食品4081品目が値上げ

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帝国データバンクが、価格改定動向の調査結果を発表。これによると、食品主要105社が2022年以降に値上げを計画している品目は6000を超えることが明らかとなった。このうち、約6割が4月までに値上げを実施。今後も値上がりが続くと見られており、飲食店は仕入れへの影響が避けられない状況だ。
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4月までに4081品目が値上げ、加工食品が分野別最多
帝国データバンクの調査によると、食品主要メーカー105社が2022年以降に値上げを計画している食品は6167品目。このうち、4081品目については、4月までに値上げをしたとしている。値上げ率は平均で11%だった。
食品分野別では、カップラーメンやハム・ソーセージ、冷凍食品といった「加工食品」が2909品目と最も多かった。全体の半数近くを占める割合で、値上げ率の平均は12%。原材料の高騰のほか、原油高に伴う包装資材費の上昇なども、価格を引き上げた要因だという。
次に多いのが「調味料」で、ドレッシングやマヨネーズなど1311品目が該当。調味料の原料として使われている菜種油の価格が高騰していることなどが主な原因だ。値上げ率平均では、「酒類・飲料」が最も高く15%。粗粒アルコールの価格上昇に加え、円安により輸入ワインの物流費が高騰していることなどが、値上げにつながっているとしている。

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原材料や原油の高騰に加え、円安への懸念も
帝国データバンクは、各社がこうした値上げに踏み切った背景について、「世界的な食料品相場の上昇に加え、原油価格の高騰に伴う物流費や原材料費の値上がり、為替でも円安傾向が続くなど全方位でコスト増加が続き、企業努力で吸収可能な余力を超えていること」としている。
上記の通り、食料品の値上げにはさまざまな要因があるが、ここ最近懸念されているのが、約20年ぶりとなる円安水準の影響だ。4月20日の外国為替市場では、一時、1ドル129円台になるなど円安が加速。飲食業界も危機感を募らせており、輸入食材を使う大手チェーンなどでは、国内産への切り替えも検討されている。
飲食店にとっては、コロナ禍に、食材価格の高騰、円安と困難な状況が続いており、まさに踏ん張り時と言えるだろう。
