飲食店.COM通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
Foodist Mediaの新着記事をお知らせします(毎週2回配信)
powered by 飲食店.COM ログイン

4月から中小企業も「パワハラ防止法」が義務化。飲食店が注意すべきポイントは?

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

画像素材:PIXTA

2022年4月1日から、中小企業でもパワーハラスメント防止措置が義務化された。パワハラは社会問題化しており、飲食業界も他人事とは言えない。では、飲食店では具体的にどのような点に注意し、対応をすればいいのだろうか。今回は、改めて「パワハラ防止法」について解説するとともに、パワハラになる具体的なケースや対策などを紹介していく。

【注目記事】飲食店の雇用に関する助成金3選。アルバイトの休業補償にも対応

中小企業は4月からパワハラ防止措置が義務に

2020年6月1日に施行された「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」により、職場でのパワーハラスメント防止措置が義務化された。先行して大企業で施行されていたが、2022年4月1日からは中小企業にも義務付けられている。

これにより、事業主には、パワハラに関する方針の周知や啓発、相談窓口の整備、パワハラ発生時の適切な対応などが求められるようになった。事業主が雇っている全ての労働者が対象となり、正社員はもちろん、アルバイトやパートなども含む。違反した場合の罰則はないものの、助言や指導、勧告の対象となる。

画像素材:PIXTA

飲食店ではどんな言動がパワハラになる?

パワハラ防止法では、職場でのパワハラを「優越的な関係を背景とした言動」、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」、「労働者の就業環境が害されるもの」の全てを満たす言動と定義している。

具体的に、飲食店ではどのような言動がパワハラにあたるのか、厚生労働省が示す6つの分類とともに紹介していく。なお、下記はあくまで一例であり、紹介した以外にもパワハラにあたる行為がある点は留意しておきたい。

■身体的な攻撃
殴る、蹴るといった直接的な暴力は言うまでもないが、調理器具を投げる、書類などで相手を叩くといった行為も身体的攻撃に該当する。また、机を叩く、ゴミ箱などを蹴るといった間接的な暴力行為もパワハラにあたる。

■精神的な攻撃
脅迫や名誉棄損、侮辱、ひどい暴言などは、精神的な攻撃に該当する。「人格を否定するような言動」や「客やほかのスタッフがいるところで、繰り返し大声で叱責する」などがこれにあたる。「おまえなんかクビだ」といった、雇用の不安を与えるような言動もパワハラとなる。

■人間関係からの切り離し
特定の人物を仲間外れにしたり、無視をしたりといった行為もパワハラにあたる。「ほかのスタッフ全員で一人を無視する」、「スタッフ全員が参加する飲み会や忘年会にも関わらず一人だけ案内をしない」といった行為がこれにあたる。

■過大な要求
過大な要求とは、明らかに業務に必要ないことや遂行できないことを強要したり、仕事の妨害をしたりする言動のこと。例えば、「新しく入ったスタッフに教育をしないにも関わらず、ベテランスタッフと同じレベルを求める」などは、過大な要求をしていると見なされる。

■過少な要求
能力や経験とはかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えないといった言動は、過少な要求となりパワハラに該当する。飲食店であれば、「嫌がらせのために、わざとシフトを入れない」などの行為がこれにあたる。

■個の侵害
個の侵害とは、過度にプライベートに踏み込むような言動を指す。「スタッフの個人的な情報をほかのスタッフに話す」、「業務外でも監視し続ける」といった行為は、個の侵害をしていると見なされる。

画像素材:PIXTA

飲食店経営者に求められるパワハラ防止措置とは?

パワーハラスメント対策の義務化にあたり、飲食店では具体的にどのような措置を講じなければならないだろうか。厚生労働省では、事業主が必ず行わなければならない対策として、以下の4つを挙げている。

■事業主の方針等の明確化および周知・啓発
事業主は、パワハラ禁止の方針を明確化し、パワハラの内容について労働者に周知や啓発を行う必要がある。また、実際にパワハラをした者に対する対処方針を定め、労働者へ周知・啓発することも求められている。

■相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
事業主は、適切な対応ができる相談窓口を設置する必要がある。相談窓口の担当者は男女を含む複数人を選ぶのが理想だが、こうした対応が難しい小規模な飲食店は外部機関への委託を検討するなどしたい。

■職場におけるパワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応
パワハラが発生した場合は、速やかかつ正確に事実関係の確認をしなければならない。事実確認後は、被害者へ配慮するとともに、パワハラを行った者に適切な措置を講じる。また、再発防止への取り組みも求められる。

■併せて講ずべき措置
上記の3項目と併せて、被害者・加害者のプライバシー保護も必要だ。さらに、相談をした従業員が、解雇などの不利益を被ることがないようにしなければならない。

パワハラを始めとしたハラスメントは、加害者側が自覚なく行っている場合もあり、どういった言動がパワハラにあたるのかといった周知や啓発が大切になってくる。パワハラ法の施行を機会に改めて、飲食店のハラスメント対策に目を向けてほしい。

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店.COM通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
Foodist Mediaの新着記事をお知らせします(毎週2回配信)
サトウカオル

About サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。