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雇用調整助成金の特例措置、9月末まで延長。飲食店にも影響およぶ物価高騰を考慮

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岸田首相は5月31日、6月末を期限としていた雇用調整助成金の特例措置を9月末まで延長すると発表した。同日行われた参院予算委員会で「7月以降の(雇用調整助成金の)取り扱いについては、原油高・物価高騰等がコロナ禍からの経済回復におよぼす影響を見極める必要がある」とした上で、延長の調整を行う意向を示した。

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期間は延長も、上限額や助成率は変わらず

雇用調整助成金の特例措置は、新型コロナウイルスの影響を受けた事業主が従業員に支払う休業手当等の一部を助成する制度。5月31日に厚生労働省が発表した「7月以降の雇用調整助成金の特例措置等の方針」によると、延長後も助成額の上限や助成率に変更はない。7月以降も原則、1人1日当たりの助成額の上限は、企業規模を問わず9,000円。助成率は、中小企業は最大9割、大企業の場合は最大7.5割となっている。

また、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の対象地域で時短要請に協力した事業主(※地域特例)や、売上が直近3か月の月平均で前年、前々年または3年前の同期比で30%以上減少している事業主についても、1人1日当たりの助成額の上限は15,000円、助成率は最大10割と、内容に変更はない。詳細は下記の通りだ。

■雇用調整助成金の助成内容
【原則的な特例措置】
・助成率:中小企業4/5(解雇等を行わない場合9/10)、大企業2/3(解雇等を行わない場合3/4)
・1人1日当たりの助成額の上限:9,000円

【業況特例・地域特例】
・助成率:4/5(解雇等を行わない場合10/10)※企業規模を問わず
・1人1日当たりの助成額の上限:15,000円

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繰り返される「延長」に新たな懸念も

新型コロナウイルスの影響が大きかった飲食業界を始め、雇用調整助成金に助けられた事業主は多い。しかし、特例措置の延長が続くなかで、財源のひっ迫や、円滑な労働移動の妨げといった懸念が指摘されているのも事実だ。

厚生労働省は、「10月以降の対応については、雇用情勢を見極めた上で8月末までに発表する」としている。制度を利用している、または利用予定の飲食店は、今後制度の終了や縮小もあり得るということに留意したい。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。