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飲食経験1年半で独立し、年商1億円超え! 富士喜商店、夢酒の羽染氏に聞く目からウロコの経営論

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ALL GRACE代表の羽染陽一朗氏

2016年に『夢酒 新宿本店』などを立ち上げ、オープンから1〜2年後には50席で年商1億円超えの繁盛店へと育て上げた株式会社ALL GRACE。コロナ禍である2020年には『富士喜商店 池袋本店』をオープンし、日本酒60種類以上飲み放題を60分539円〜で提供し話題を呼んだ。2022年7月には『富士喜商店 新宿総本店』をオープンするなどその勢いは増している。

そんなALL GRACEの代表を務めるのが、飲食経験1年半で独立を果たした羽染陽一朗氏。四年制の大学を卒業後、約3年間不動産関係の大手企業に勤め、飲食店の運営会社に転職し、その後独立という異色の経歴を持つ。飲食未経験から短い期間で独立し、どう繁盛店を作り上げたのか羽染氏に聞いた。

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1988年、新宿生まれ新宿育ちの羽染氏

飲食店の経営についてはほぼ独学

「学生時代まではピザの宅配くらいしかしたことがなかった」と飲食業界経験が少なかった羽染氏。昔から起業という夢を持ち、大学卒業後は会社の仕組みを学び、ビジネスマンとしての実力をつけようと、証券や出版、ホテルなどさまざまな事業を包括的に行う不動産会社に就職した。

起業を見据えていたため、3年を一区切りで考えていた羽染氏。ちょうど学生時代の先輩が飲食店に勤めており、新しい店舗の立ち上げのために人を募集していたこと、また自分たちでメニューや接客についても考えて実行できるという裁量の大きさに惹かれ飲食業界に飛び込んだ。「実家が新宿で酒屋を営んでいるので、ゆくゆく飲食店を出店できれば、お酒も発注できるしうまく継げるのではないか」と考えたのもある。

そのお店が常時20〜30種類の日本酒を置く店だったことが、羽染氏が日本酒専門店を出店する足掛かりとなった。新店は、これまでの経験が生きるよう日本酒をコンセプトにした店にしようと思い至る。

「勤めていた飲食店には当初から『独立が目標』と伝えていました。働いている頃から、家賃や人件費、税金、利益などがどれくらい出るのかシミュレーションをしたりしていて。飲食店経営のノウハウ系の本だけでなく、リピーターを作るためにどうすればいいかを脳科学の本で調べたりして、独学で飲食店の経営について学んでいました」

先輩が有名な社長と飲みに行く機会があったら連れて行ってもらって話を聞くなど、経営のヒントがあれば何でも取り入れようとしたという。

2022年7月開業の『富士喜商店 新宿総本店』は新宿駅西口から小滝橋通りを7分ほど北上した地下一階に位置する

ターゲットを絞り、売上を上げるための努力を全て行い、年商1億円超え

2016年に『夢酒 新宿本店』を歌舞伎町2丁目にオープン。新宿駅からは少し離れ、ホテル街というあまり良い立地とはいえない場所ながら、オープン1〜2年後には年商1億円を叩き出す繁盛店となった。

飲食経験1年半での独立、そこから1〜2年で繁盛店を作り上げられた秘訣は何かと尋ねると「売上を上げられる可能性があることを、ほぼ全てやったからですね」と羽染氏は話す。オープン当初は近隣のホテルなどにチラシを置いてもらったり、チラシを撒いたり、友人・知人を伝って紹介してもらうというアナログな告知方法もとっていた。羽染氏が新宿生まれ、新宿育ちということもあり最初の1〜2か月は友達だけで月100万円以上の売上が立っていたという。

チラシや口コミだけでなく、グルメサイトの広告にも力を入れた。「何が何でも新規のお客さんを獲得したいと思い、個人店では考えられないぐらい広告費にお金をかけました」と羽染氏が話すように、オープンから2年後まで毎月100万円程度を広告費に費やしていたいう。徐々にリピーターが増えたことで、広告費も減らしていった。

その上で羽染氏が徹底していたのは、日本酒が飲みたい人にターゲットを絞ったこと。

「オープン当初は空席が結構あったので『歌舞伎町だし3,000円の安いコースを提供した方が、客数が取れるかな』と思った時もあったのですが、我々が求めているターゲットではないから一時的な売上にしかなりません。広告やSNSでも『日本酒が飲みたい人集まれ!』と地道にアピールし続け、結果的に息の長い店を作れました」

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中森りほ

About 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。