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中目黒『FUNFAN』に“感度の高い大人”が集う理由。「アジアの屋台」テーマに尖った店づくり

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『FUNFAN』店長の塚本波彩氏

2021年6月、グラフィックアーティストのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)氏がアートディレクションを担当する居酒屋『FUNFAN』がオープン。食感度の高い層が集まる中目黒という立地を意識した尖った店づくりで差別化に成功し、25坪43席で初月の月商1,000万円以上を実現。連日、目的客で賑わっている。

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ネオンサインが印象的な、クールな空間(写真提供:エニーシー)

アジアの屋台をテーマに、「人々の交流の場」としての飲食店を計画

運営を手掛けるのは、不動産業やフィットネス業、飲食業などを手掛ける(株)エニーシー。「新型コロナの影響が長期化し、海外に簡単に行けない状況が続く中で『今、世の中に何が必要か?』を社内で突き詰めた結果、多くの人が身近で楽しめる『飲食店』の力は大きいと再認識し、新規出店に踏み切りました」と語るのは、同店の立ち上げから携わってきた店長の塚本波彩氏。

食器や小物もアジアンテイスト

「大人が五感で楽しめる飲食店にしたい、という部分は決めていましたが、コンセプトは物件次第だと考えていました。ここは駅から少し離れているので、目的をもって来てもらえる店にすべく、海外の屋台飯を店づくりの柱に。日本でも、屋台はお祭りのように楽しくて、人が集まる場所のイメージがあるように、ここに来れば誰かに会えるような店にしたいと考えました」

また店内は、ヨシロットン氏に監修を依頼し、屋台の開放感と現代っぽさが融合した空間に。現在、客層は30~50代が中心で、男女比は7対3と男性客が多いのも特徴。客単価は4,000~4,500円で推移している。

本場のテイストにこだわった「アジアな本気サラダ」980円(写真提供:エニーシー)

アジアのエッセンスを取り入れた、ネオ屋台料理

料理は、アラカルトのみで約50品。「オススメは全品」という文字が躍るメニュー表には、中国をはじめタイやベトナムなどアジアのエッセンスを取り入れたオリジナリティの高い料理が並ぶ。

とりわけ人気の高いメニューは、「三原豆腐大人の塩もつ煮」580円、「自慢の麻婆豆腐」980円、「FunFan餃子」680円、蒸し・焼き・揚げの3種類で提供する「焼売」1個250円~、「極み炒飯のいくらソースかけ」1,300円など。

「屋台の自家製ソース焼きそば」830円は、黄ニラがアクセント(写真提供:エニーシー)

「焼売やチャーハンが人気なので中華居酒屋だと見られがちですが、アジア各地の要素を取り入れ、本格的な味にこだわっています」と塚本氏。例えば水餃子なら、イカスミの塩辛を生地に練り込み、つけダレにはナンプラーやライムなどを合わせる。焼売は、浅草開花楼の特注生地を使い、中のあんは手切りしたブランド豚のブロック肉と粗挽き肉を混ぜ、肉々しい食感に。塩もつ煮には、福岡・三原豆腐店から取り寄せた豆乳とにがりで作る自家製豆腐を用いるといった具合に、1品1品素材や味付けにこだわっており、それが唯一無二のオリジナリティにつながっている。

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/