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飲食業界の現状と今後を知る。『HAJIME』米田肇シェフほか食団連メンバーが語ったこと

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ディスカッション中、会場の会員から寄せられた意見や疑問が表示された

ロビー活動に加え、業界から政治家を輩出すべき

素朴な疑問も寄せられた。

〈なぜ飲食業を応援する政治家がいないんですか?〉

「農業、建設業、医師会を代弁する政治家はたくさんいる。飲食業を中心にやっている政治家はほとんどいない。時間をかけてこの業界をわかってくれる人を応援し、政治家としても成長してもらう関係をつくっていきたい」(二之湯さん)

「政治家も飲食業界をあてにしていないのではないか。応援してあげたくても料理人は選挙へ行かない。飲食業界が政治家から信頼されていないのではないか。食団連として動くべき」(髙橋さん)

例えばGo Toイート。Go Toイートでは、飲食の需要喚起に国が1千億円の予算を使った。同時期、Go Toトラベルが実施された。その予算はGo Toイートのほぼ10倍。観光業界は長年ロビー活動を続けてきた結果、10倍もの予算が組まれた。

「食団連はほかの業界と遜色がないぐらいの力を持ち、政府や行政にプレッシャーをかけていくべき。それが食団連の使命」(二之湯さん)

話は前後するが、パネルディスカッション後、懇談会が行われた。その前に食団連会長の服部幸應さんが政治家に関する私見を述べた。

「3年前から議員会館へ足を運び、政治家に会うようにしてきました。政治家と仲良くすることがいかに大事かがわかりました。食団連の中から議員を出したいし、議員連盟を作りたいと思っています」

懇談会で挨拶する食団連会長の服部幸應会長(全国調理師養成施設協会)

数は力。食団連という塊でロビー活動を続ける

食団連の活動内容に関する疑問点も提出された。

〈食団連が活動している内容が1年を通して見えませんでした。(中略)各団体とヒアリングを何度しましたか?(中略)ぜひ来年はもっと活動内容を発信してください〉

現在、議事2名と事務局1名が各団体とヒアリングを進めていると髙橋さんは說明。ようやく半分近くを終えたところだそうだ。

「今後は食団連としてもう少し発信していきたい。メールやSNSで発信していますが、読んでもらっているのかどうかわからない状況が多い。問題点があればメールを送ってほしい。リアルタイムで全理事長が共有できるようになっています」(髙橋さん)

「食団連の4人の理事が発信している場合が多く、双方向での発信ではありません。コロナが収束したとしても業界から課題がなくなるわけではない。課題はこれからも出てくると考えるべきです。ロビー活動ができる塊として食団連の価値があると思う」(二之湯さん)

最後に会員からこんな提案も。

〈数は力だと思います。次回はこの回を東京ドームで3万人以上を動員して貰えませんか。大きなニュースになると思います〉

「今日は意見や疑問をあげてもらい、嬉しく思っています。共に考え、共に動きましょう。1人では届かない声も会員数が20万人を超える食団連の力があれば届きます」(佐藤さん)

■食団連ホームページ
https://shokudanren.jp/

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中島茂信

ライター: 中島茂信

CM制作会社を経てライターに。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』『101本の万年筆』『瞳さんと』『一流シェフの味を10分で作る!男の料理』『自家菜園のあるレストラン』。『笠原将弘のおやつまみ』の企画編集を担当。「dancyu web」や「ヒトサラ」、「macaroni」などで執筆中。