【11月】飲食店の「売上動向調査」。約５割の店舗がコロナ禍前の19年比で「減益」と回答
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2022年11月は行動制限もなく、Go Toイートや全国旅行支援といった政府施策によって人の往来は引き続き活発に行われた。さらに水際対策の緩和と円安により、外国人観光客も前月に続き増加した月だった。一方、新型コロナウイルス感染拡大の第8波に対する懸念から早めの忘年会開催が推奨され、多くの企業では忘年会の自粛が発表された。
こうした状況のなか、飲食店の収益はどのように変化しているのだろうか。弊社の調査サービスである「飲食店リサーチ」が行った、2022年11月の売上動向に関するアンケート調査結果から実態を読み解いていく。
■調査概要
調査対象：飲食店ドットコム会員（飲食店経営者・運営者）
回答数：396名
調査期間：2022年12月26日～2023年1月10日
調査方法：インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち69.7％が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は50.3％（首都圏の飲食店の割合は67.6％）となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。
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売上高の回復は横ばいか。コロナ禍以前を超えた飲食店は26.5％
2022年11月の売上に関して、新型コロナの影響がなかった2019年同月と比べて尋ねると、最多は「80％」との回答で16.2％。また「100％以上」と回答した飲食店の合計は26.5％で、10月の同調査データと比較すると1.7％減少している。大半の飲食店がコロナ禍以前の水準の売上高を確保できていない状況だ。
次に、売上と利益について2019年同月と比較してもらったところ、「減収・減益」との回答が40.9％と最も多かった。これに「増収・減益」「売上は横ばいだが減益」という店舗の12.3％を加えると、じつに53.2％の店舗がコロナ前よりも「減益」に陥っていることがわかる。
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感染拡大により団体客が減少。集客に関する悩みが増加
現状の課題や悩みについて尋ねると、年末の団体利用の是非や、集客に関する悩みが多く見られた。以下では今回の調査で特に顕著だった課題について、いくつかピックアップして紹介する。
■大人数での宴会を禁止する企業が多く、団体需要が低下
・近隣の大手企業がまだ団体での新年会や忘年会を禁止しているため、早くコロナ前のように完全解禁してほしい（大阪府／居酒屋・ダイニングバー／2店舗）
・宴会需要がほぼ無くなり、忘年会が小規模になり売上が取れない。メニューを変えて利用しやすいようにはしたが、効果なし（秋田県／居酒屋・ダイニングバー／6～10店舗）
■客足の落差が激しい
・混み合う日とそうでない日の対比が酷く、混み合う日はお断りせざるを得ないお客様もいるのが申し訳ない（神奈川県／バー／1店舗）
・平日の客足が戻らない。週末・祭日ばかりにお客さんが集中。平日になにかイベントをと思うがなかなか平日のイベント企画はリスクが高い（東京都／その他／1店舗）
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■SNS集客への課題感
・SNSで定期的に情報を発信するのが難しい。何が一番効果的かわからない（大阪府／居酒屋・ダイニングバー／3～5店舗）
・SNSの更新作業が難点、予約投稿などを積極的に利用中（大阪府／専門料理／1店舗）
・インスタなどのSNSよりGoogleビジネスの方が効果を感じる（東京都／イタリア料理／51～100店舗）
・インスタのフォロワーが増えても売上はそこまで上がらない（大阪府／ラーメン／1店舗）
・SNSは集客に時間がかかるし、いつ効果が出るか分からない。ホームページが主流だった10数年前に比べると、宣伝に労力を割かなくてはならない面が大きい（神奈川県／カフェ／1店舗）
■客足の変化で、テイクアウトに力を注がざるをえない
・テイクアウトは増えているが来客が減り続けている（愛知県／専門料理／3～5店舗）
・今はお客様をお店に呼ぶ努力よりも、宅配に力を入れています（東京都／ラーメン／1店舗）
・テイクアウトに力を入れており、インスタグラムやGoogleを利用してアピールしています（大分県／ラーメン／1店舗）
新型コロナウイルスの発生から約3年。現在の第8波は、死者数において第7波を超える勢いで、いまだ先の見えない状況が続いている。一般的に飲食店の閑散期と言われる2月を目前に控え、集客に対する不安はしばらく続くだろう。
