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『はま寿司』利用客のイタズラ動画が大炎上。レーン上の寿司に無断でわさび乗せる

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画像はイメージ。画像素材:PIXTA

1月9日、『はま寿司』に訪れた客がInstagramにイタズラ動画を投稿し“炎上”。ほかの客が注文した寿司に、レーン上で大量のわさびを乗せるという動画で、テロップには「他人握りわさび乗せ」の文字が。いわゆる客による迷惑行為、“客テロ”である。

現在、元動画はアカウントごと削除されているが、Twitterに転載され拡散を続けており、動画には不快感を示すコメントが並んでいる。被害に遭った『はま寿司』には、投稿者と思われる人物から謝罪の申し出があったが、『はま寿司』はこれを拒否。被害届を提出したという。

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性善説で成り立っていた回転寿司で、イタズラが相次ぐ

動画投稿者はただのイタズラのつもりだったのかもしれないが、『はま寿司』にとっては今まで築いてきた“安心安全”を脅かす、許しがたい迷惑行為であると言えるだろう。事実、件の動画には「安心して食べにいけない」といったコメントも数多く寄せられており、『はま寿司』のイメージを傷つけてしまったことは間違いない。

騒動が大きくなった原因には、回転寿司店でこのようなイタズラ行為が相次いで発覚している点もある。1月7日にも、ほかの客が頼んだ寿司をレーン上で一貫だけ食べる動画がTikTokにアップされた。「おいしそうだったのでたべちゃいました。#人の注文 #はま寿司」と説明が入っており、「わさび乗せ動画」と同様にTwitterに転載され“炎上”した。

また、大手チェーンの『くら寿司』でも、食べた後の皿をレーンに戻す動画が発見され、一連の騒動に拍車をかけている。もともと性善説の上に成り立っているとされてきた回転寿司のビジネスモデルだが、その根幹が揺らいでいると言っても過言ではない。

画像はイメージ。画像素材:PIXTA

器物損壊罪、偽計業務妨害、詐欺罪……。イタズラは立派な“犯罪”である

では、このようなイタズラは罪に問えるのだろうか。結論から言えば、前述した3つのイタズラはすべて下記のような犯罪に当たる可能性がある。

・ほかの客の寿司にわさびを乗せる:その寿司を注文した客に対しては器物損壊罪(他人のものを壊したり、傷つけたりする行為)、店に対しては偽計業務妨害罪(他人を欺く行為などで信用を毀損し、業務を妨害する行為)

・ほかの客の寿司を勝手に食べる:窃盗罪(他人のものを盗む行為)

・食べた後の皿をレーンに戻す:詐欺罪(他人を欺いて、財産上不法な利益を得るような行為)

これらの行為は、ただのイタズラではなく立派な“犯罪”なのだ。

画像はイメージ。画像素材:PIXTA

さらなるDX化の推進が、迷惑防止につながる?

これらの迷惑行為の防止のカギとして、DX化の推進が考えられる。もとより、回転寿司店は飲食店の中でも、DX化が進んでいる業態である。現在はタッチパネル注文や自動会計が主流であり、業務効率化と客の利便性を両立している。

こうしたデジタル化やロボット化にいち早く取り組んでいるのが『くら寿司』だ。テーブルに備え付けられた回収口に客自身が寿司皿を投入することで片付け作業の負担を軽減する「皿カウンター水回収システム」など、様々な特許を取得してDX化を推進。アプリからの自動受付・案内は2017年、セルフレジは2020年から実施している。 

現在はAIカメラと小型コンピュータ「ラズベリーパイ」との連携で、寿司皿のカバーがいつどこで開け締めされたかもリアルタイムに判別できるため、今回話題となった、寿司皿をレーンに戻す行為も把握ができるという。

客による迷惑行為はどんな飲食店でも起こり得る。未然に防げるのが一番だが、起きてしまった後の対応も考えておく必要がありそうだ。広く報道されている今回の件が抑止力となり、少しでも迷惑行為がなくなることを願うばかりだ。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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