飲食店ドットコムのサービス

ウィズコロナの今を生きる、飲食店の“生の声”。冬の繁忙期を人気3店はどう過ごしたのか?

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

写真右から、三代目店主の大前守氏、長男で四代目の欽尉氏、娘の京子氏。画像提供:鮨大前

わずか9席の店内に、以前の光景が戻りつつある『鮨大前』

『鮨大前』は、1910年(明治43年)創業。現在は日比谷のJRガード下に店を構え、三代目の店主 大前守氏、長男で四代目の欽尉氏、娘の京子氏の家族3人で営んでいる。店内はわずか9席のカウンターのみで、お酒の持ち込みが自由。産地や処理を変えた鯖の食べ比べやあらゆる青魚の握りが絶品で、光り物好きに長年愛されている店だ。

コロナ禍中は時短営業などの影響を受けつつも、“おみやげ”を開発したり、ツイッターでの予約受付を開始するなどの対策を行った『鮨大前』。ツイッターは急のキャンセルにも比較的対応しやすく、苦しいコロナ禍の集客にも大いに役立ったという。アカウントは現在も継続しており、ほとんどの予約がツイッターを経由している。

魚の価格は高騰しているものの、店の利益はコロナ禍前を上回る勢いだという。画像提供:鮨大前

「現在は一か月先まで満席の状態を維持しています。魚の価格は高騰していますが、仕入れの効率を見直すなど無駄をなるべく排除することで、店の利益はコロナ禍前を上回るほどに。最近では、たまたま隣に座った知らないお客様同士が仲良くなり、一緒に次の予約を取るという、小さなカウンターの店ならではの光景も戻ってきています(欽尉氏)」

2023年はさらなる飛躍を目指して、“おみやげ”の種類を増やす、これまで店で提供していなかった日本酒を取り扱う、といったことも検討しているそう。「客足は戻りつつありますが、お帰りの時間は早くなっていますし、周辺を見ても平日はまだ人出が少ないように感じています」と話す欽尉氏。以前の活気が戻ることを願いつつ「来てよかった」と思ってもらえる店づくりを、これからも家族で続けていくという。

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
河崎志乃

ライター: 河崎志乃

デザイン事務所で企業広告の企画・編集などを行なった後、2016年よりフリーランスライター、コピーライター、フードコーディネーター。大手出版社刊行女性誌、飲食専門誌・WEBサイト、サステナブル・シーフード情報WEBサイト、医療従事者向け会員制WEBサイトなど、あらゆる媒体で各業界のトップランナーへの取材・執筆を行う。