坪月商50万円『酒場アカボシ』の姉妹店が渋谷に。『タートル』が作る「現代風酒場」の全貌
店名の『タートル』に込められた思い
店名の『タートル』は、「ゆっくりでもいいので、長くお店を育てていきたい」という思いから。「赤星」の名で日本一長く親しまれているビールから着想を得た『酒場アカボシ』と同じような思いが込められている。
井の頭線渋谷駅から徒歩1分と駅近な立地ながら、通りからは一本入った路地に位置し、落ち着いて寛げる環境だ。ひときわ目を引くのは、全面ガラス扉から見えるスタンド席とテーブル席を配したエリア。暖かい季節にはガラス扉をすべて開け、解放感あふれるテラス風の空間となる。

手前のテーブル席に使われている白タイルは、店頭の看板にも使われており、随所で入口と奥の空間を繋ぐ意識をしたという
その内側にある、もう一枚のガラス扉をくぐると、キッチンのライブ感が楽しめる大きなカウンター席、店内奥にはゆったりと食事ができるテーブル席を配置。ゾーンごとに様々なシーンでの利用ができるレイアウトになっている。
「コロナ禍を経験したこともあり、お客様に明るい気持ちになってもらいたくて、色をたくさん使うようにしました」と久我氏が言うように、随所にグリーンやレッド、イエローなどカラフルなタイルがあしらわれ、明るくリラックスできる雰囲気になっている。「NEWoMan新宿」なども手掛ける新進気鋭のアーティスト・AZUSA IIDA氏が手がけた、グラスやスタッフユニフォームのデザインも見逃せない。

オリジナルグラスは、お風呂に入っている女性がガラス窓に『タートル』の名を指で書く様子を反対側から見ているデザインで3カラーある
料理は、『酒場アカボシ』時代からお世話になっているという『銀座 鼓門(旧・銀座 器楽亭)』の浅倉鼓太郎氏をフードアドバイザーに迎えて一つひとつ練り上げた。
系列店『酒場アカボシ』でも人気の「揚げ豚足」「焼きポテトサラダ」など気取らない酒場メニューに加え、緑の彩りが美しい春雨にたっぷりのカラスミを合わせた「karasumi 唐墨春雨」など、大人も楽しめる居酒屋メニューが揃う。コンセプトは居酒屋としつつも、ラムユッケを生ピーマンに詰めてフレッシュに表現した「lamb 生青椒肉絲」や、麻辣ソースでピリ辛に仕上げたよだれ鶏ならぬ「よだれカンパチ」など個性的な料理も取り入れている。

「唐墨春雨」(1,320円)や「よだれカンパチ」(968円)、「lamb-生青椒肉絲(3ケ)」(1,320円)のほか、『酒場アカボシ』でも人気の「焼きポテトサラダ」(660円)や「揚げ豚足(3ケ)」(660円)もある
料理は一品600円台の手に取りやすい価格帯から1,300円を超えるものまであり、様々な客層にアプローチするよう意識したという。また、価格が高騰傾向にあり変動が激しい魚介類を使わないことで、物価高騰対策も行った。
ドリンクは本格焼酎を各種取り揃え、料理との相性が良いソーダ割りでの楽しみ方を提案。面白いのが焼酎を白芋、紅芋、紫芋、オレンジ芋と芋のカラー別に紹介していることだ。ほかにも、山椒ハイボール、カルダモンサワーなど、比較的原価が安く価格が安定したお酒を多く取り入れることで、安定的に利益を生むメニューラインナップにしたと言う。現状、原価率はフードとドリンク平均で25〜30%を目指す。想定客単価は4,000〜4,500円、目標月商は1,000万円としている。
