“並ばせない”行列店『回転寿司 根室花まる』。Airウェイトで1日約500人の来店客を受付
「五感マーケティング」を反映した店作りが「おいしさ感」を創出
さらに谷津氏は、「外食において味のクオリティが高いことは大前提なのですが」と前置きしたうえで、味覚以外で味わう「おいしさ感」について話してくれた。
「弊社には『五感マーケティング』という言葉があるのですが、店作りにはその考えを反映させています。単純な味だけではない、外食価値としての『おいしさ感』をどう提供していくかが、今後はさらに重要になってくると思っています」
職人はお客の目の前で寿司を握り、カウンター越しに接客も行う。隙のないマルチタスクな仕事が要求されるが、意外にも同店では30代前半の若い職人が中心となって活躍しているという。
「職人の育成には力を入れており、未経験者でも短期間で即戦力として活躍できるような独自の人材育成プログラムを整えています。若い人材が活躍することで、お店にも良い活気や、親しみやすい雰囲気が生まれると思うんです」
人気ゆえの混雑は、順番待ち管理システム「Airウェイト」でスマートに対応
こうした努力が実を結び、多くのお客に支持される同店では、「いかにお客様の待ち時間のストレスを緩和し、効率よく客席を回転させるか」という課題とつねに向き合ってきた。実際に銀座店では、連日開店時刻と同時に大勢のお客が訪れ、あっという間に満席となる。そこで導入しているのが、リクルートが提供する順番待ち管理システム「Airウェイト」だ。
「店頭に名前を記入する紙を置いて管理していた頃は、従業員がその業務にかかりきりとなり、何時間もお客様の名前を呼んでいるような状態でした」
と谷津氏は振り返る。最初は別の自動受付・呼び出しシステムを導入していたが、高額な初期費用がネックになっていたそう。そこで、2020年3月、大同生命札幌ビルmiredo店の開業に際し、「Airウェイト」を導入した。
「Airウェイトは基本的にiPadで操作できるので、新たに専用端末を買いそろえる必要がありませんでした。コンパクトなスペースにも手軽に設置できるし、操作もしやすかったんです。何より『初期費用不要』『契約期間の縛りなしで1か月から利用できる』といった初期ハードルの低さが、導入の決め手になりました」
■初期費用ゼロで、従業員の負荷が格段に軽減
現在、『回転寿司 根室花まる』では、札幌、丸の内、銀座の3店舗からスタートし、全12店舗中10店舗にAirウェイトを導入済みだ。
Airウェイトを使えば、お客自身がiPadを操作することで整理券が発券され、受付が完了。順番が近くなるとお客のスマホに電話・SMS・LINEを通じて呼び出しがかかるので、長時間店頭に並んで順番を待つ必要がなくなる。
「時間を有効に使えることで、順番待ちの途中で帰ってしまうお客様も少なくなりましたし、案内係の負担が減った分、お客様への気配りなど、本来の接客に注力できるようになりました」
■「待ち時間」ではなく「待ち組数」だから、ズレが少ない
さらに銀座店ではオプションとして、店頭にディスプレイを設置。現在の待ち組数を表示することで、待ち客のストレス緩和に努めている。
「以前はお客様から待ち時間を尋ねられ、案内係がつねにその対応に追われていました。しかも待ち時間の予測は立てづらく、『言われた時間に戻ったらもう呼ばれていた』といったトラブルも少なくなかったんです。でもAirウェイトの導入後は『待ち時間』ではなく『待ち組数』をお伝えしているので基本的にズレがない。お客様と共有する目安としても、とても有効だと感じています」
谷津氏は「Airウェイトを導入したことで、この点が最も改善された部分」だという。今後はいかに待ち時間を減らしていくかということに注力しつつ、入店前のお客に対してもより丁寧な接客を実践していきたい、と話してくれた。
北海道直送鮮魚のブランド力に加え、徹底した鮮度管理と職人技術、そしてオープンキッチンからの活気と温かなコミュニケーションでお客を魅了し続ける『回転寿司 根室花まる』。Airウェイトの導入にしても、店舗側の業務効率化というより、お客に少しでも快適に待ってもらいたいという、おもてなしの精神が垣間見える。同店が愛され続ける理由は、こうしたところにもありそうだ。
■撮影協力:『回転寿司 根室花まる 銀座店』
住所/東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座10F
電話番号/03-6264-5735
営業時間/11:00~23:00(L.O.22:00)
定休日/不定休
席数/53
[提供]株式会社リクルート