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SNSにみる飲食店店主たちの“苦言”。いま改めて考えさせられる「外食マナー」

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これらのルールに対し、今年3月中旬にツイッター上で議論が勃発。「(これだけのルールを提示するなら)子連れお断りにした方がいい」「子どもが静かにできるわけない」というコメントがみられる一方で、「至極当たり前のこと」「放置されて暴れまくってる子どもよくみるから、こんな店もどんどん増えて欲しい」「(こうしたルールを)掲げなくちゃならないほど子連れ客のマナーが悪かったんですね」「ベビーカーも通路を塞いだり無造作に放置したりした人がいたんだろうな」といった、店側への理解を示す意見も多く上がった。

こうした反響を受け、同店は今年3月、ホームページ上に改めて見解を発表。「当店のお子様連れのお客様への注意事項は私達の考え方、価値観によるもの」「子育てもさまざまな方針やケースがありますし、それぞれの考え方は尊重します」としたうえで、以下の考えを示した(以下、同店のホームページより一部抜粋)。

外食は言葉は交わさなくとも
他人と同じ空間で食べています
お客様が違えば空気感も変わります
いつでも誰でもリラックスしてお食事できる空間にするには
お互いの気遣いが必要です
リラックスして食事をしたい人のために
お子様連れのお客様もお気遣いいただければと思います

そもそも上記の12項目は、実際にあった出来事から作成されたのだそう。周知については「ほかのお客様への気遣い、衛生上の問題、店の継続」のために始めたという。

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「使用済みティッシュは丼の中ではなく、近くのゴミ箱へ」

栃木県宇都宮市の『家系ラーメンたつ家』は今年4月、食べ終わった後の丼に丸まったティッシュが入っている写真とともに、「最近多いんですけど…(中略)共有物なのでやめていただきたいです」との内容を公式ツイッターに投稿した。同店では注意書きを掲示したうえで、ティッシュボックスの真下にゴミ箱を設置しているという。

これに対しては、「もし自分が同じことをされたら(皿に使用済みティッシュを入れられたら)嫌な気分にならないのかなぁ?」「ティッシュを入れる=作ってくれた方や店員さんに失礼な行為ですよね」といったコメントがみられつつも、「客側として(店員が)片付けやすいと思い、少しでも配慮したくてまとめてました」「“皿ティッシュ”が良くないことだと知らなかった」「テーブルも共有物なんで、口を拭ったものを(テーブルに)直に置くと汚いだろうなと思ってやってます」など、店舗に対する気遣いとしてあえてやっているという意見も多く寄せられた。こうしたコメントに対し、店側は「色々と意見を頂き、ありがとうございました。参考にしたいと思います」とツイートしている。

飲食店が積極的にお客を選ぶことはできない。マナーに対する賛否両論はあれど、店側が意見を発信すること自体は自由だ。多様性の時代、互いの立場や視点から物事を考えていくきっかけになることを願う。

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岩﨑美帆

ライター: 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」