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新店『一天張』も絶好調! 『原価ビストロBAN!』小泉氏が語るアフターコロナの戦い方

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1階の立ち飲みは全16席。中央に焼き台を配し、野菜や鮮魚が入ったショーケースも設置

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1階は立ち飲み、2階はコース主体の着席で25坪月商800万円を目指す

『チュウノジョウ』オープンから3か月ほど経ち手応えを感じた小泉氏は、『原価ビストロBAN!』のような水平展開ではなく、一つのベースのコンセプトを持ちながら横展開するドミナントとして『一天張』をオープンさせる。

なぜ屋号を変えて店舗を展開するのか小泉氏に尋ねると「飲食店のコモディティ化がスピーディーに進む現代社会への対策として、1店舗ずつエリアやロケーションによって業態を開発し、屋号を変えることにしました。こうすることで一つの共通したコンセプト、ペルソナ、戦略を持ちながらコンテンツを変えるだけでフランチャイズを含めた多店舗展開が可能であり、個人店とチェーン店のハイブリッドなモデルを確立できると考えました」と返ってきた。

『一天張』も『チュウノジョウ』と同様、1階が立ち飲みで2階が着席スタイルだ。1階ではスタンディング限定メニューとして焼酎や果実酒を用意し、調理のライブ感と対面の接客を売りにする。一方、2階はグループでも楽しめるテーブル席を配し、SNS映えもする前菜盛り合わせを含む3,900円のコース料理を提供して客単価をアップし、連日50〜80人を集客。さらに2階には配膳エレベーターとモバイルオーダーを導入することで、限られたスタッフ数でもオペレーションが効率的にまわるよう工夫した。

2階は落ち着いた雰囲気の着席スタイルで全31席

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この立ち飲みと着席のハイブリッド型店舗が、BANの強みを活かした“アフターコロナ時代に強い飲食店”の形だ。

「コロナ禍を経て自分たちに足りてなかったのは、お客さんを情緒で引き寄せることだと思ったんです。『一天張』の場合、1階は地元の人がフラッと訪れられるような情緒で引き寄せるお店、2階は『原価ビストロBAN!』で培ってきた機能的なお店のミックスにしています。

月商500万円の飲食店を作るのはそこまでハードルは高くないですが、月商700~800万円を稼ぐとなるとかなりハードルが上がります。この目標を達成するために、情緒的要素と機能的要素をうまく組み合わせることが重要だと考えました。1階席も含めた50〜60席を毎日満席にしようと思うと大変です。でも、半分の30席(2階の席数)であれば一気に難易度が下がります」

オープンして1か月ほどのため現状月商は650〜700万円で推移しているが、今後800万円を目指していると話す。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。