飲食店ドットコムのサービス

新店『一天張』も絶好調! 『原価ビストロBAN!』小泉氏が語るアフターコロナの戦い方

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

写真を撮りたくなるロゴグラスに入った「一天張レモンサワー」「バイスサワー」「焼酎ハイボール」各495円

画像を見る

立ち飲みと着席のハイブリッドで、情緒と機能を兼ね備えた飲食店に

ドリンクは1、2階で値段の差はつけず、ビールやサワー、チューハイなどは500円以下に設定。日本酒は770円〜、ナチュールワインは715円〜とし、ボトルワインも3,850円〜としている。フードも概ね1,000円以下の手の出しやすい価格帯とし、「あてもり」(1,089円)などおひとりさま限定メニューも作った。

この値段設定について小泉氏は「1階の方が良いと思って来てくれる人もいるので、立ち飲みだからと値段を安くすれば罰ゲームのように感じてしまう人もいると思いました。そこで、付加価値をつける方向にしようと考え、スタンディング限定メニューを用意しました」と意図を明かす。

料理は『チュウノジョウ』と同じく、三軒茶屋の立ち飲みバル『富士屋本店』、渋谷『富士屋本店ダイニングバー』の立ち上げ、店長兼料理長を務めた重松大樹氏が考案。重松氏の実家が佐賀県唐津市で『一天張』という名の焼鳥屋を営んでいたこと、そして「みんなの中に当たり前にある料理がいい」という小泉氏の考えから焼鳥をメインコンテンツに据えた。『チュウノジョウ』の姉妹店でありながら、「初めて食べた」と思ってもらえるような、オリジナル料理も並ぶ。
 
「『チュウノジョウ』が居酒屋の定番料理がちょっと美味しいと感じられるエントリー店だとすれば、『一天張』は食の楽しさを魅せるお店。『原価ビストロBAN!』が消えそうで消えない、芸人でありコメンテーター、嫌いな人もいるけど好きな人はすごく好きなカズレーザーさんで、『チュウノジョウ』はマルチに活躍する大泉洋さんというイメージですが、『一天張』は少し頑固な感じだけど遊び心があって自由で実力派の西田敏行さんのイメージ。カッコつけていないのに10年後でもカッコいいと思われる、そんな存在を目指しています。激戦区でよく焼鳥屋をやるねと言われましたが、焼鳥で勝負しているわけではないんですよ」

備長炭で焼き上げる「焼き鳥 5本盛り合わせ」1,156円。鶏は銘柄よりも鮮度重視で全て朝びきしたものを使用

画像を見る

伝えたいのはテクニックではないからこそ、従業員教育では何も言わない

ファイブ・ウェイ・ポジショニングの結果、競合優位性の高いサービスに注力している『一天張』だが、従業員教育で心掛けていることはあるのだろうか。

「プライベートの子育てでも同じなのですが、テクニックを伝えたいわけではないので、余計なことは言わないようにしています。むしろ分かってもらいたいことほど言葉では伝わらないので、お客さんも招待したイベントを開催するようにしています。

花見の季節には手作りの料理とドリンクを持参して、近くの浜町公園でお客さんも含めた50〜60人で花見をしました。接客が苦手という人もお客さんとの距離感の取り方、表現の仕方がわからないだけで、そういう場をつくれば存在感を変えてあげられます。
飲食店を舞台に例えると、親しい友人や家族に見守られながら、役を演じているような気持ちになってもらいたい。そうすると結果的にサービスが磨かれると思うんですよね。この夏も、屋形船のイベントを企画中です」

新業態を2店舗人形町で送り出してきたBANだが、3号店はフランチャイズとして新橋という新天地に新たな業態を開発して8月にオープン予定だという。

「『チュウノジョウ』と『一天張』は同じ人形町だから順調なスタートを切ることができましたが、新天地かつ雑居ビルの空中階、鉄板焼きとコンテンツも異なるので、ここからがチャレンジですね」

今後は首都圏にとどまらず地方都市へのFC展開も検討中だという小泉氏。次なる挑戦がすでに始まっている。

『一天張』
住所/東京都中央区日本橋人形町2-2-8
電話番号/03-3808-5570
営業時間/17:00~23:00
定休日/日曜
席数/1階立ち飲み20席、2階テーブル席31席

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。