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100種のお茶割りが好評の学芸大学『茶割』。新店『wacasu』は “逆張り”コンセプトで勝つ

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料理長の河野氏。『wacasu』の料理をすべて一人で担う

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コアなファンの欲を満たす『wacasu』の新たな戦略

一転、『wacasu』は、『茶割』とはまったく異なる設計で展開する。『茶割』が属人性を排したシステムを売りにしたのに対して、『wacasu』は極めて属人的なスタイルをとったのだ。

フォーカスしたのは、料理長の河野渓真氏。フレンチビストロで研鑽を積んだ河野氏は、サンメレ入社6年目。数年前に『茶割』が実施したフードメニューの一新を一手に引き受けたほど、今や同社の要といえる存在だという。その彼が持つフレンチの引き出しと、『茶割』のお茶割り酒場としての見せ方との融合に手応えを感じた多治見氏は、「より高いクオリティでの料理とお茶割りの可能性が見えた。それを表現するには新しい見せ方が不可欠だった」と語った。

描いたのは、「『茶割』オープンから8歳年齢を重ねたお客と自分たちが今、行きたい店」だ。

厨房を眺められるカウンター席

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店舗のデザインや設計などのハード面は、多治見氏が担当。これまで培ってきたハコ造りにおけるさまざまな経験値やノウハウ、人のつながりを駆使し、セオリーに囚われない、主体的な飲食店づくりに挑戦したと話す。

大きな窓を備えたテーブル席

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「お客さまの方を向けて厨房の中央に設けたコンロや、自然光が入る枠のない大きな窓など、どうすれば料理長や一皿一皿の料理、酒を引き立てられるか、自分が客だったらどんな空間がほしいかを考えて設計しました。無理難題な要望をいって、大工さんや料理長を困らせながら(笑)。店をつくっている工程がいちばん好きなんですよね」

ある日のお茶割りメニュー

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。