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100種のお茶割りが好評の学芸大学『茶割』。新店『wacasu』は “逆張り”コンセプトで勝つ

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ありが豚に茶葉を巻き込んだ『ポルケッ茶』(1,400円)。「自分たちに受賞歴など語れるストーリーがまだない分、来店のきっかけが必要」と、素材を前に立たせる

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ストーリーを持つ素材で、新たな世界観に触れるきっかけをつくる

そんな『wacasu』では、ストーリーがある食材をこだわって使用する。自社農園で育てた野菜や、東日本大震災から生き延びたブランド豚「有難豚(ありがとん)」を、河野氏が遊び心あふれるフレンチにして活かすほか、全国の茶農家から直接仕入れたお茶は、茶の選定も担う番頭・山上春乃氏が一煎ずつ急須で淹れてお茶割りに。『茶割』では使用できなかった価格帯の貴重な乙類焼酎も取りそろえるなど、より洗練されたお茶割りの味わい方ができるのが『茶割』との大きな違いだ。

さらに「『日本の酒造りの最先端』として、必ず近いうちに流れが来る」と、多治見氏が力を入れるのがクラフトサケ。福岡のクラフトサケブリュワリー『LIBROM』と協働して、お茶で酒を仕込んだ『茶醸酒』を開発するなど、お茶割りに次ぐムーブメントを起こそうと新たな“仕込み”もすでに始まっている。

クラフトサケとは、清酒の製造技術をベースに、さまざまな素材やプロセスを加えて造られた新ジャンルの酒。烏龍茶と桃を使った『茶醸酒 ピーチウーロン』(900円)

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お茶も酒も、日本人こそ昇華すべきコンテンツ

「ここでは、いいものをつくれば売価に反映できる分、価格や素材に制約されることなくチャレンジできる」と、多治見氏。客単価や回転数など、店を回すことに縛られず実験場のような感覚で続けていきたいという。しかしそれも、『茶割』というベースがあるからこそできること。そしてまた、『茶割』で使用するお茶の選定や、淹れ方の検討・調整などは『wacasu』で行なうなど、互いにいい関係値を築けていると語った。

「お茶も酒も、昔から日本に根付いてきたもの。伝統や文化などと仰々しくいうつもりはありませんが、日本人こそ、その価値をちゃんと知って、昇華して、消費していくべきだと思うんです。その一端を担えれば」(多治見氏)

抹茶とお茶のサルサベルデで仕上げたリゾットに煎茶を注ぐ『お茶漬けリゾット』(1,800円)

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『wacasu』
住所/東京都目黒区中央町2-19-14
電話番号/03-5708-5740
営業時間/17:00〜24:00
定休日/月曜・火曜・水曜
席数/カウンター8席、テーブル8席
坪数/9坪

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。