飲食店に「ニッパチ」はあてはまる? 猛暑の閑散期対策と人気の「夏メニュー」を紹介
株式会社シンクロ・フードは今年7月、飲食店における「夏」対策についてアンケート調査を実施した。回答した飲食店の半数近くが「8月に業績が悪化する」としており、3割が夏メニュー提供期間を延長する予定だという結果が見られた。今回はこうした調査結果とともに、飲食店の「おすすめ夏メニュー」についても紹介する。
>>求人掲載1か月19,800円が今なら15,000円! 求人飲食店ドットコムで初トクキャンペーン実施中
■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:421
調査期間:2024年7月2日~2024年7月8日
調査方法:インターネット調査
※詳しい調査結果はこちら
飲食店の約半数は8月の業績が悪化
一般的に、2月と8月に商売の売上が低迷する現象を「ニッパチ」と呼ぶことがある。そこでまず、飲食店運営者に「ニッパチ」があてはまるかという質問をしたところ、「あてはまる」と回答した飲食店が28.5%となった。「8月だけあてはまる」の18.5%を合わせると、47%が8月に業績が悪化していると感じていることになる。また、「2月だけあてはまる」は19.2%、「全くあてはまらない」は33.7%という結果だった。
さらに、年間の月平均売上と比較して、8月はどの程度になるか聞いたところ、「ほぼ平均と同じ」という回答が28.3%で最も多かった。続いて、「1〜2割低い」が26.1%、「2〜3割低い」が17.8%となった。一方で、売上が高くなる飲食店も21.2%に上ることがわかった。
猛暑に客足が悪くなることについては、下記のような意見が寄せられている。
・外出が減る(愛知県/バー/2店舗)
・どうしても暑い時間帯は客足が悪くなる。今年はその対応案としてUberの対応を始めた。効果が期待できるかは今のところ未知数(東京都/カフェ/2店舗)
・人通りが極端に減ります。デリバリー強化です(大阪府/テイクアウト/1店舗)
【注目記事】初の立ち上げで月商700万円達成の渋谷『大人気』。集う人を幸せにする兄弟の唯一無二の店づくり
猛暑日には冷たいドリンク・料理や辛い料理が人気
また、「夏メニュー」を用意しているかという質問については、58.0%の飲食店が「している」と回答。「していないが導入検討中」も17.3%となっており、73.5%が「夏メニュー」を用意している、または用意しようとしていることがわかった。提供する「夏メニュー」としては、「冷たい料理」が58.7%と最多で、「さっぱりした料理(34.4%)」、「冷たいドリンク(33.4%)」といった回答が続く。
さらに、「夏メニュー」の提供期間については、提供開始は7月上旬が最多で29.1%、提供終了は9月下旬が最多で36.9%となっている。この数年で「夏メニュー」の提供期間を変更したかという質問については、最も多い回答が「特に変化はない」で62.3%だったものの、「提供期間を長くした」と回答した飲食店も30.3%となっており、多くの飲食店が売上アップのために「夏メニュー」に期待していることがわかる。
続いて、猛暑日に売上が上がるメニューが「ある」と回答した41.6%の飲食店に、該当するメニューの傾向を聞いた。最も多かったのは「冷たいドリンク」との回答で42.9%。次いで「冷たい料理(29.1%)」、「冷たいデザート(9.1%)」、「辛い料理(5.1%)」という結果になった。
最後に、具体的なおすすめの「夏メニュー」について聞いたところ、下記のような回答が寄せられた。
■アルコール
・フローズンチューハイ(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・モヒート、ミントジュレップは夏限定。「限定」に惹かれて頼む人がいる(東京都/バー/1店舗)
■ソフトドリンク
・コールドブリューコーヒー
・通常の冷たいドリンクをフロートに(東京都/カフェ/1店舗)
■オリジナルメニュー
・昨今の辛い物ブームに乗っかって、激辛メニューを用意している(大分県/テイクアウト/1店舗)
・夏限定!まかないカレーライス、魚介&野菜の盛合せ天丼(神奈川県/和食/1店舗)
■スイーツ
・夏祭りをビジュアルで表現したアフタヌーンティー(埼玉県/洋食/1店舗)
・ふわふわタイプのかき氷。ピューレを使った本格的な自家製シロップも(東京都/カフェ/2店舗)
調査結果から、8月には多くの飲食店が「業績が悪化している」と感じ、「夏メニュー」で業績を回復させようと考えていることがわかる。2024年の夏は平年よりも平均気温が高くなる見込みのため、新たなひと皿のアイデアがさらに求められるだろう。
