学芸大学『Bistro11』の常連に愛される店づくり。おひとりさま&バー利用を取り込み盛況

右奥から時計回りで「グラスワイン」(990円~)、「本日の総菜盛り合わせ」(1,320円)、「白花豆のモンブラン」(990円)。テーブルチャージ660円に含まれる自家製バゲットには青のりを練りこむ工夫も。
「なるべくお客さまに還元したい」。原価率を下げる意味でも自家製にこだわる
料理に使用する食材は『オーベルジュ・エスポワール』時代に親しんだ長野県産だけでなく、真吾さんの両親の実家がある宮城県の「白石温麺」や、地方へ旅行に行った際に出合ったもの、知人に紹介してもらった食材など多彩だ。
人気メニューの「魚介のフリカッセとごぼうのリゾット」(3,740円)は、『メグロ アンジュール』時代から付き合いのあるお客からの要望で復刻したもの。「白花豆のモンブラン」も野菜を使ったデザートを作っていた過去の経験を活かしたメニューで、これを目当てに訪れるお客も多いという。
特筆すべきは、奄美大島の粒味噌を使った「水茄子とフェタチーズの粒味噌マリネ」(990円)や「タプナードソースで食べるアジフライ」(2,750円)など調味料やソースもできる限り自家製にこだわっていること。「既製品ではなく手作りできるものは手作りすれば、原価を抑えてお客さまに還元できますので」と真吾さんは微笑む。お通しとして提供するパンや、ソーセージも自家製だ。
料理は「定番化した人気メニューを除き、毎年同じ食材を使っていたとしても、なるべく同じ料理を作らないようにしています。違う味付けにして常連の人も楽しんでもらえるよう心がけています」と真吾さんはメニュー開発にも余念がない。
フードの原価率は約30%。一部30%を超える場合もあるが、ほかでカバーするようにしているという。
「食材は小分けして日持ちするように保存し、使い切るようにしています。また、魚介類は豊洲、肉は業者から仕入れていますが、野菜はロスが出ないよう、自転車で近所のスーパーマーケットや八百屋を何か所か巡って、安くて良いものをこまめに買うようにしています」と、フードのコストを抑えるよう工夫を凝らしていると真吾さんは話す。フォンドボー、ソースやピュレなどは一度に多めに作り、真空パックして冷凍保存するよう心がけている。
料理のポーションは、二人で前菜2~3品とメイン、デザートをオーダーしてちょうど良いサイズで構成。現在客単価は8,000円ほどで推移している。
