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月商400万円、都立大学『MARBLE』。業態開発の名手による“認知度アップの改善策”とは?

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塩麹に漬ける創作冷菜「発酵サーモンとアボカドのタルタル」(1,200円)

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ハッピーアワー、パスタセットで認知度アップ

『MARBLE』と他の姉妹店との違いは、週2日のみ厨房に入る山口氏以外のスタッフが、全員女性であること。25~31歳の4人が在籍し、12坪の店舗を平日2人、週末3人で回す。山口氏は、その効果をこう語る。

「スタッフの意見交換がしっかりできています。LINEグループでも、みんなが意見し合うのが、他の店舗との違い。それで、注文率が伸びないメニューを、新しく変えることを頻繁にやります。通常どの店舗でも、僕も含めてみんなで話し合ってメニューを変更するのですが、彼女たちは積極的に提案してくるので、どんどん変えていますね」

元は半々だったRETROとNEWのメニューの比率は3:7へ。開業時から現在までのメニュー変更率は4割、量や盛り付けも含めたスタイル変更も含めれば、6割に達する。

ドリンクに関しては、常連客からの要望が多かったクラフト系を導入した。開店から半年が過ぎたころに、クラフトビール(900円~)とクラフトジン(800円)を、定番として各3~4種追加。ドリンク総数は約50種と幅が広がり、女性客が全体の8割を占める中、アルコール類の売上比率は30%を維持する。

認知度を高めるために始めたのが、姉妹店にはない「ハッピーアワー」。早い時間帯に来店すれば、生ビールが700円→500円、ナチュラルワイン800円→600円、角ハイボール600円→350円など、15種近くのドリンクがお得に飲める。

「学芸大学や都立大学で多店舗展開している経営者の方と、知り合いなんです。話をした際に、『人通りの少ない都立大学では、認知されるまで時間がかかって苦労した。それでハッピーアワーを始めたら、認知されるようになった』と聞いたのが、導入のきっかけですね」

ナチュラルな雰囲気の店内。“客の表情が分かる”オープンキッチンは全店舗共通(写真提供:株式会社コローリ)

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加えて、カウンター限定で注文できる「パスタセット」(2,400円)の新プランも始動。自家製燻製バター、ライ麦パン、前菜盛合わせ、シェフのおまかせパスタのフードにハッピーアワーのドリンク1杯が付く。

「パスタはお客さんから要望を聞いて、オーダーメイドのパスタを作ります。作るパスタにもよりますが、原価率4割を超えるセット内容。けれども、お店を知っていただくための入り口になります。パスタは対話してメニュー表にのっていないものを作るので、料理人の勉強にもなるんですよ」

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小林智明

ライター: 小林智明

埼玉県出身。情報誌の編集プロダクションを経て、2006年にライターとして独立。食、旅、スポーツ、エンタメなど多岐にわたり取材・執筆活動を展開中。グルメ取材はラーメン店を中心に計500軒を突破。好きなお酒は辛口純米酒。