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月商400万円、都立大学『MARBLE』。業態開発の名手による“認知度アップの改善策”とは?

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山口氏と渡部氏は共に飲食企業のWDI出身でその後、株式会社セレソンへ。当時からタッグを組み、数々の業態を開発

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新業態をつくり続け、売上高2倍へ

もう一つ、大きな改善点は平日ランチ営業の実施。これも『MARBLE』だけで行うスキームだ。「ここはオフィス街ではないので連日ではないですけど、常連さまも多く、昼から結構忙しい」と山口氏。昼の客単価は2,000円、売上への貢献度は低くない。当然、認知度アップにもつながるうえ、他の利点もある。

「うちの会社は求人にも注力し、新卒の子を毎年2人ずつ、地方の調理専門学校などから採用しています。新卒で料理を覚えてきた子たちに、昼だけここで働いてもらうことで、料理人育成の場としても機能しています」

現在、株式会社コローリは4つの路面店を経営し、社員17名、アルバイト18名を抱える。多店舗展開しているからこそ、店舗間での人材の行き来も柔軟に調整できる。

「急な欠員が出ても補えますし、『もっと働きたい』というアルバイトの子もいますよね。そんなときにもシフトを調整し、他の系列店にワンポイントで入ってもらうことができます。移動をしやすくするために、特に自由が丘の『ニショク』から近い、都立大学に新店を構えました」

この1年で次々と策を講じた結果、『MARBLE』のリピート客の割合は増え続け、全体の70%に到達。30~40代の女性地元客をメインに、都立大学で知られる存在になりつつある。売上も右肩上がりであり、次は月商450万円・坪月商35万円のクリアを目指す。

フリー客の割合は全体の7割。この1年で認知度が増し、気軽に立ち寄れる店へ(写真提供:株式会社コローリ)

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会社全体の目標は、「2年後までに売上を2倍にする」と強気に設定する。

「各店の年商は上がっています。特に外苑前の『kogane』と『ニショク』は開店から6、7年がそれぞれ経ちますが、昨対比は100%以上でまだ上がっていますから。利益を上げるために最近では、各店で席数を増やしてます。例えば『kogane』では、座敷のテーブル数を増やすための改装を行いました。『ニショク』でも同様に、レイアウトを変更しています」

『MARBLE』でも近々、混雑時にフロアに出せる収納可能な2テーブル(4席)を増やす予定。「売り上げを出すには席数は重要です」と山口氏は言う。無論、会社では新たな出店も視野に入れている。

最後に「今後、同じ業態の店を出さないのですか?」と山口氏に聞くと、「どうせやるなら新しいことをやりたいじゃないですか。新業態しか考えていません」と即答。次はどんな業態を仕掛けてくるのか、株式会社コローリの次なる一手が楽しみだ。

『MARBLE』
住所/東京都目黒区中根1-2-3
電話番号/03-5726-9133
営業時間/11:30~L.O.14:00、17:00~L.O.22:00(土日祝14:00~L.O.22:00)
定休日/なし
坪・席数/12坪・20席(テーブル10席、カウンター10席)

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小林智明

ライター: 小林智明

埼玉県出身。情報誌の編集プロダクションを経て、2006年にライターとして独立。食、旅、スポーツ、エンタメなど多岐にわたり取材・執筆活動を展開中。グルメ取材はラーメン店を中心に計500軒を突破。好きなお酒は辛口純米酒。