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渋谷のビストロ『ブシュリー・アミアブラ』。経営支援サービスの活用で物価高に強い店づくりを実現

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『ブシュリー・アミアブラ』シェフの吉田隆児氏

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売上は増えているのに、利益が上がらない……。そんな飲食店の悩みの大きな要因となっているのが、上がり続ける物価と人件費だ。

あらゆるモノの価格が上昇する中、食材原価の高騰に対しては、仕入れの見直しや商品改良、値上げなど、さまざまな対応策が考えられる。しかし、これらの施策は、顧客の反応を見ながら慎重に進めることが重要だ。また、人件費については、店舗の繁閑に応じて適切に人材を配置し、効率的な運営を図ることが重要となってくる。

こうした課題に対して、街の飲食店はどのように向き合っているのだろうか。リアルな悩みと対策について、東京・渋谷の『ブシュリー・アミアブラ』に話を聞いた。

渋谷駅から徒歩5分。L字型のオープンキッチンのカウンターの奥にテーブル席があり、計40席

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最大の課題は食材原価の高騰。原価率は前年比平均6~8%アップ

『ブシュリー・アミアブラ』の開業は、2016年3月。自家製のシャルキュトリーをはじめとする肉料理が人気のビストロで、界隈のオフィスワーカーを中心にリピーターが多く、40席の店内が週末は予約で満席という繁盛店だ。

昨今のコスト高について、同店シェフの吉田隆児氏は、「お陰様で当店は常連のお客様が多いので客数は安定していますが、これまで通りの利益を出すにはメニュー単価を上げていかないと厳しい状況になってきています」と打ち明ける。新規客獲得に向けて広告などの手を打っているものの、食材原価の高騰による負担を補うほどの効果には至っていないと言う。とりわけ喫緊の課題となっているのが、ランチの原価率の上昇だ。

スタッフは、吉田氏含め社員4人、パート・アルバイト12人。営業中は、社員3人、パート・アルバイト3人体制で営業

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洋食業態では輸入食材のコストも急増。いかに「付加価値を高めて売るか」が鍵に

同店では昼の時間帯、日替わりランチやハンバーグ、カレーなどのランチメニューを提供しているが、直近では米の仕入れ値が前年対比200%を超えるまでに。農家から直接仕入れるなどの工夫もしているが、そもそも供給自体が不安定なため、コストを抑えるのは難しいという。

さらに、同店は洋食業態のため、ワインをはじめとする輸入食材の仕入れも多く、円安の影響も大きい。

「国産に切り替えるなどの対策はしていますが、オリーブオイルなど値上がり幅の高いものもあり、食材原価は今期平均6~8%ほど上昇。先行きが見えない高騰に今後の不安を感じています」(吉田氏)

看板メニューの「シャルキュトリーの盛り合わせ」1人前880円~(写真提供:『ブシュリー・アミアブラ』)

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こうした状況を受け、同店では2024年春に日替わりランチの価格を1,000円から1,250円に値上げした。「値上げはしたものの、それでもディナーに比べるとランチの利益率はかなり低いです。しかし最近、近隣のお店が次々とランチ営業をやめていて、その影響もあってかランチのみで100人ほどのお客様が来店してくれます。利益的には難しい部分もありますが、需要に応え続けたいと思っています」と吉田氏。

また、ディナーに関しては、現状ではシャルキュトリーをはじめとする自家製メニューによって、ある程度原価を抑えられているが、「付加価値を高め、適正な価格で提供する方法を検討中です」と、考えを明かしてくれた。

事業拡大に向けて従業員を増員するタイミングでシフト管理サービスを導入

一方、人件費については、2024年度は事業の拡大に向けて従業員を増やしたタイミングであり、「人件費率は上がってはいるものの、積極的な削減は考えておらず、適正な比率になっているかを確認できることが重要」と吉田氏。そんな人件費の適正化やシフト管理負担の軽減に役立ったのが、リクルートが展開するシフト管理サービス「Airシフト」だ。

シフト管理は店舗のタブレットのほか、吉田氏のスマートフォンでも行える。「店以外の場所でも作業できるのが便利」と吉田氏

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同店では2024年3月に、既存のレジをPOSレジアプリ「Airレジ」に入れ替え、オーダーシステム「Airレジ オーダー」、経営サポートサービス「Airメイト」、予約台帳アプリ「レストランボード」を連携させた。そこで、ちょうどスタッフの新規募集のタイミングでもあったため、同じリクルート社製の「Airシフト」も導入し、新人スタッフの入社に合わせてシフト管理の手法を変更することにした。

「以前は、LINEでスタッフ一人ひとりからシフト希望を出してもらい、店のカレンダーに記入していました。人数が少なかったですし、希望する曜日や時間帯がほとんど決まっていたのでそこまで負担は感じていませんでしたが、お店にいるときにやらねばならなかったり、手間のかかる作業でした」

同店では半月ごとにシフトを作成しているが、「Airシフト」を導入してからは、従業員はスタッフ向けのシフト管理アプリ「シフトボード」に出勤希望日を入力するだけで、自動的にシフト表に反映されるため、シフト作成にかかる手間がぐっと軽減された。

「Airシフト」のシフト管理画面のイメージ。スタッフへのシフト調整依頼やチャット機能なども付帯しているので、これ一つでシフト管理が完結

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さらに、混雑状況を鑑みて設定している「必要人数設定」によって、その日にシフトが足りているかが一目でわかるようになったのは大きい。各スタッフは自分のスマートフォンに送られたシフト表を確認できるほか、提出の締め切りが近づくとアプリから期限を知らせる通知が届くため、提出漏れも防げる。

経営サポートサービス「Airメイト」との連携で、
売上高人件費率の可視化ができ、コスト削減の意識も高まる

「新人スタッフの中には、以前のアルバイト先で「Airシフト」を使っていた人もいましたし、操作が簡単なので既存の従業員も新しいシフト管理方法にすぐ慣れました」と吉田氏。さらに、経営サポートサービス「Airメイト」との連携により、売上高人件費率が日次で確認できるようになったため、コスト意識が高まったという。

「数値として可視化されることで、人件費に対する意識が変わりました。現在は、商品や集客の分析と合わせて、人件費の振り返りも必ず毎月行い、原因を追究するようにしています」

アルバイトも含め、離職者が少ないという同店。長く働いてもらうコツは「スタッフとコミュニケーションをしっかりとること」と吉田氏

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飲食店のコスト対策は、食材費や人件費など単体での管理はもちろんのこと、集客や売上などと連携した分析が欠かせない。「Airシフト」や「Airレジ」、「Airメイト」との併用で、デジタルツールに詳しくない人でも大きな負担なく改善が期待でき、業務効率化が可能だ。

こうしたサービスはそれぞれ個別に導入も可能なので、店の規模や課題に応じて手軽に取り入れられるのもメリットだ。料理やおもてなしといった飲食店本来のサービスを充実させるためにも、ぜひ検討してみたい。

■「Airシフト」の製品概要はこちらから

『ブシュリー・アミアブラ』
住所/東京都渋谷区渋谷2-8-4 東和青山ビル1F
電話番号/03-6450-5420
営業時間/11:30~L.O.14:00、18:00~L.O.22:00
定休日/日祝
席数/40

[提供] 株式会社リクルート

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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