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裏渋谷で大繁盛の『ワイン酒場uiui』。“仕込みいらずのワンオペ調理”でお客の心を掴む

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定番料理に加え、季節の野菜や魚介類を使ったメニューも充実

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仕込みの手間はなるべく減らす。ワンオペでも充実な品揃え

料理はイタリアンをベースに、前菜から肉料理、パスタ、デザートまで常時45種類前後を用意する。チーズなど一部のメニュー以外は、既製品を使わないのが島本氏のこだわりだ。

しっかりお腹を満たしたい人にも、酒をメインに楽しみたい人にも、「使い勝手がいい店」でありたいという願いからこの品数になったというが、1人でキッチンを回すとなると、さぞ仕込みが大変ではと驚いていると、居酒屋時代にもワンオペで店を回した経験があり、さほど苦ではないと言う。

「ワンオペ=仕込み8割という話もよく聞きますが、僕の場合はむしろ、なるべく仕込みはしないで済むようにしているんです。というのも、イタリアンは手間ひまかけて仕込むよりも、瞬間的に調理をした方がおいしいものが多い。だから、一品に使用する食材は2~3種類に抑える、工程は複雑にしないとか、食材を切る、簡単な盛り付けなどの作業はスタッフに任せるといった工夫をしています。レシピがシンプルだからこそ、食材の質や鮮度にこだわり、一つひとつの食材が持つパワーを伝えられたら」と島本氏。

看板メニューは、かつて渋谷区桜ヶ丘にあったイタリアンレストランの系譜を継ぐ「真イワシのパイピザ」(1,515円)。薄力粉を使用したサクッと歯切れのいい生地に、新鮮な真イワシとオリーブオイル、フェンネルを合わせたごくシンプルなレシピだが、シンプルだからこそ、生地の発酵や焼き具合、真イワシやオリーブオイルのフレッシュさが際立つ。

島本氏が「まずはこれを召し上がってほしい」という「真イワシのパイピザ」。サクッと軽い生地の食感、イワシの旨み、ハーブの香りが絶妙

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自家製サルシッチャをアレンジした「サルシッチャ団子のトマト煮」(970円)もワインが進む一品だ。一方で、「ごぼうのきんぴら」(970円)や「長芋の唐揚げ」(990円)」など居酒屋らしいつまみも揃い、充実している。

そもそも子どもの頃から食べることも、作ることも大好きだったという島本氏は「おいしい料理で人を喜ばせたい」と料理人を志すように。ホテルやリストランテ、町場の小さな店などさまざまなイタリアンレストランをはじめ、居酒屋、薬膳料理店などを経て、念願叶って2024年に独立を果たしたという。

ハーブが香る「サルシッチャ団子のトマト煮」はオレンジワインと相性抜群

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河西みのり

ライター: 河西みのり

フリーランスで活動するライター&インタビュアー。現在はソーシャルメディアや業界紙など多岐に渡り執筆。飲食店取材からレシピ本の編集、お取り寄せカタログのコピーまで“食”にまつわる分野を得意とする。