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若手の人材確保に期待。松屋、コロワイドなど「奨学金返還支援制度」導入の飲食チェーンまとめ

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

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人材獲得競争が過熱する昨今、飲食チェーン各社では従業員に代わって企業が奨学金の返済を行う「奨学金返還支援制度」の導入が進んでいる。若手人材へのアプローチ、企業イメージの向上、社員の定着を図る狙いだ。今回は実際に導入している各社の制度内容について紹介する。

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■松屋フーズホールディングス
『松屋』を展開する松屋フーズホールディングスは、2024年1月より「奨学金返還支援(代理返還)制度」を導入し、一人当たり最大200万円(元利合計)の返還支援を行う。本制度は松屋フーズグループに所属する正社員・無期雇用パートおよびアルバイト(入社7か月目以降に限る)を対象とし、国内すべての貸与型奨学金に適用される。今年3月末からは内容がさらに拡充され、これまで最大5年間であったところを最大10年間まで支援する。

■聚楽
『ホテルジュラク』をはじめとするホテル事業や各種レストラン事業を展開する株式会社聚楽は、最大130万円の返還支援を行う制度を設けている。入社3年経過後50万円、5年経過後30万円、10年経過後50万円と段階的に企業が代理返還を行う。新卒または卒業3年以内の既卒の従業員であること、返還日に在籍しており、引き続き勤務の意思があることが適用の条件だ。

■平和ダイニング
『丸源ラーメン』『焼肉きんぐ』を運営する株式会社平和ダイニングでは、2023年より35歳未満の正社員を対象として月1万円を最大5年間、合計で60万円まで返還支援する。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

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■ゆで太郎システム
関東地方を中心に立ち食いそばチェーン店『ゆで太郎』を展開する株式会社ゆで太郎システムは、2023年4月にこれまで手当として給料に上乗せ支給していた奨学金支援を、代理で返済する制度に変更した。対象期間も3年から最大8年に拡充し、月1.5万円、最大144万円の代理返還を行う。

■コロワイド
『牛角』『しゃぶしゃぶ温野菜』『かっぱ寿司』など約20の外食ブランドを展開する株式会社コロワイドは、2022年4月以降に入社したグループの新卒社員に対し、貸与型奨学金における月の返還額の50%を負担する制度を導入している。

返済に不安を抱える人材は7割。導入する企業は前年比2倍に

日本学生支援機構によると、2024年9月末時点で「奨学金返還支援制度」を導入している企業は2,467社、支援対象者は7,133人にのぼる。いずれも令和4年より前年と比較して約2倍ペースで増加している。企業が直接代理返還することで、従業員は所得税や社会保険料の負担を抑えられるため、制度を導入している企業で働くメリットは大きい。

労働者福祉中央協議会が2024年に実施したアンケートによれば、奨学金利用者のうち、日本学生支援機構の貸与型奨学金の借入総額は平均344.9万円と過去最高値だ。今後の奨学金の返済に対象者の7割以上が不安を、4割が苦しさを実感しているというデータもある。制度を拡充している企業は返還を抱える若手人材からの注目度も高いといえる。

以上を踏まえ、今後の人事制度を見直す参考にしてはいかがだろうか。

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路 真菰(みち まこも)

ライター: 路 真菰(みち まこも)

HR業界の制作ディレクター・ライターとして求人やインタビュー記事を執筆。フリーライターとして食に関わるメディアの記事執筆、料理雑誌のブロガー等としても活動。お酒を嗜みながらの料理が至福。自宅に飲食店舗を構えた“商い暮らし”を計画中。