飲食店ドットコムのサービス

「世界のミクニ」ことフレンチの巨匠・三国清三氏が黄綬褒章受章。歴代料理人受章者の功績は?

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

画像素材:PIXTA

画像を見る

政府は4月28日付で2025年春の褒章受章者を発表。フランス料理のシェフで「世界のミクニ」ともいわれる三國清三氏など607人、22団体が受章した。今回は、三國清三氏を含め、これまでに褒章を受章した4人の料理人の功績について紹介する。

>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!

フランス料理に55年間貢献してきた「世界のミクニ」が受章

2025年春の褒章では、フランス料理のシェフで株式会社ソシエテミクニの代表取締役である三國清三氏が黄綬褒章を受章した。黄綬褒章は「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方」に与えられる。

三國氏は15歳からフランス料理の道に進み、20代の10年間は在スイス・ジュネーブ日本大使館の料理人を務めたほか、三つ星レストランの『トロワグロ』などで修業。帰国後、30歳で独立した。15歳から55年の間、フランス料理に貢献してきたことはもちろん、料理人の育成や食育活動などにも取り組んできたことが評価されている。2022年には、自身がオーナーシェフとして37年間務めたフランス料理レストラン『オテル・ドゥ・ミクニ』を閉店。2025年9月には、同地にカウンター8席のみのレストラン『三國』をオープン予定だという。

『赤坂四川飯店』の鈴木広明氏は2024年秋に受章

赤坂四川飯店』総料理長の鈴木広明氏も、2024年秋の褒章で黄綬褒章を受章。『四川飯店』の創業者である故・陳建民氏と、故・陳建一氏、陳建太郎氏の三代とともに『赤坂四川飯店』を支えてきた。

鈴木氏は高校卒業後に『赤坂四川飯店』に入社。『赤坂四川飯店池袋店』や『赤坂四川飯店本店』の料理長を務め、現在は『赤坂四川飯店』のグループ全体の調理指導・育成を行っている。大学などの講師や日本中国料理協会の役員を務めるなど、これまでの実績が評価された。

画像素材:PIXTA

画像を見る

佐藤進一氏は『京王プラザホテル』で7人目の褒章受章

京王プラザホテル』総料理長である佐藤進一氏は、2024年春の褒章で黄綬褒章を受章。42年間フランス料理に携わり、フランス料理界の発展とホテル顧客層の拡大に寄与したことが評価された。

佐藤氏は1981年に『京王プラザホテル』に入社。フランス料理の『アンブローシア』にて、2006年に黄綬褒章を受章した名誉総料理長の緑川廣親氏のもとで研鑽を積んだ。伝統を重んじながらも新しい料理に挑戦し続け、2021年には『京王プラザホテル』取締役総料理長に就任。社外でも業界団体などに所属し、料理を通した社会貢献に取り組んでいる。

イタリア料理シェフとして初めて受章した落合務氏

「日本一予約の取れないレストラン」ともいわれた『ラ・ベットラ・ダ・オチアイ』のオーナーシェフ落合務氏は、2020年春の褒章でイタリア料理シェフとして初めて黄綬褒章を受章。落合氏は高校中退後に飲食業界に入り、19歳からで『ホテルニューオータニ』でフランス料理を学んだ。その後、イタリアでの修業を経て、赤坂『グラナータ』のオープンに伴いシェフに就任。

1997年には『ラ・ベットラ・ダ・オチアイ』をオープン。2009年には日本イタリア料理協会会長にも就任するほか、テレビなどのメディアにも出演してイタリア料理の魅力を発信し続けている。

三國清三氏が受章した黄綬褒章は、今回紹介した以外にも多くの料理人が受章している。いずれも飲食業界に多大な貢献をした人たちばかりだ。その姿勢や料理人としての在り方には、業種を問わず学ぶべきところが多い。

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com