渋谷繁盛店が恵比寿に進出! 『えびすのアラレ』による“女性目線のエスニック居酒屋経営”
2025年5月、恵比寿にオープンした『えびすのアラレ』は、飯泉温子氏が率いるエスニック居酒屋。渋谷の1号店『ARALE(アラレ)』は8坪で月商350~400万円を誇り、女性の1人客にも支持されている。飲食業界で女性が輝く秘訣とは? 飯泉氏に話を聞いた。
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物件探しに苦戦した創業店。良くも悪くも「女性」であることが影響し続けた
「女性の活躍推進」が叫ばれて久しいが、飲食業界、特に居酒屋業態で経営者として活躍する女性はまだまだ少ない。「女性ならではのメリットも、デメリットも味わってきた」と、これまでの道のりを飯泉氏は振り返る。
10代から料理人を志し、自分の店を持つことを夢見て調理師専門学校へ進んだという飯泉氏。卒業後はフレンチレストランへ就職するが、「どうしてもエスニック料理をやりたくて」とグローバルダイニングが運営するエスニックレストラン『モンスーンカフェ』へ入店する。ここで出会ったのが2011年に池袋『アガリコ』を開業する大林芳彰氏である。飯泉氏は立ち上げメンバーとして携わった。
「その頃、ちょっとした“独立ブーム”で、社員の方が続々と自分の店を立ち上げる姿を見ていました。大林さんについて行ったのは、『いずれ独立するために必要なことを教えてあげられるよ』と言ってくださったから。タイ料理も一からしっかり教えていただきました」
『アガリコ』で6年間にわたり店長を務めた後、共に働いてきた島田佐智氏と2019年に渋谷『ARALE(アラレ)』を開業する。店を構えるのは繁華街からかなり離れた渋谷区鶯谷町、8坪の小さな店ながらも月商350~400万円を売り上げる繁盛店に成長した。
「本当は渋谷百軒店のあたりでずっと探していたんです。『アガリコ』がある街の雰囲気に似ているなぁと思って。でも、不動産屋さんには全然相手にしてもらえませんでした。2~3年かけて探したのですが見つからず、先輩にも『こんなことは言いたくないけど、(相手にされない理由には)女だからということもあると思うよ』と言われたことも。悔しさもありましたが、よくよく考えてみれば、『アガリコ』には大林さんという男性オーナーがいたからこそ、いわゆるホテル街でも女性スタッフが安心して働くことができるんだな、と。それで範囲を広げて探し、ようやく見つけたのが現在の物件です」
鶯谷町は閑静な住宅地であり、同業者からは「こんな場所でうまくいくはずがない」という声も多かったというが「やっと念願の店が持てる!」と『ARALE』をオープン。周囲にはしっかりとした食事が楽しめるレストランが多いこともあり、「1軒目はもちろん、2軒目にも気軽に寄れる、カジュアルな雰囲気の店があったらいいかも、と思いました」と飯泉氏。
ただ、集客に苦労するであろうことは初めから予想していた。一方で『アガリコ』からの繋がりに甘えたくないという思いもあり、まずは周知のきっかけになればと近隣の飲食店への“挨拶回り”を行ったのだとか。これが功を奏し、すんなり地域に溶け込むことができたという。
「皆さんには、『女の子が頑張っているから応援するよ!』と本当にかわいがっていただきました。初めの半年は、ご紹介のお客さまでどうにかもったようなものです。そこから少しずつ、近隣でお仕事されている方や、地元の方など常連のお客さまも増えていきました」
