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4か月で売上120%増! 赤字続きの日吉『焼肉ホルモン大大吉』坪月商44万円大復活のワケ

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お通しの煮込みのおかわりサービスでInstagramのフォロワー数をアップ

石井氏がメニュー施策と並んで力を注いだのが、新規客を獲得するための集客策だ。活用したのがInstagramとLINEを用いたSNSマーケティングである。石井氏は「集客策をテーマにしたInstagramの講習会で勉強した」と言い、店長就任後3か月間はInstagramに3~5日おきに画像や動画を投稿した。投稿する画像は文字配置などのレイアウトに統一感を持たせているが、「これによって画像が並んだときにユーザーの目を惹くことができる」(石井氏)のだという。

『大大吉』のInstagram。画像のデザインを統一するとアクセス数が伸びやすくなるという

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また、特筆されるのがメニュー施策とSNSマーケティングを結びつけた施策だ。『ダイキチきんぎょ』ではお通しの「サラダ」(380円)がおかわりの注文が入るほど好評だったため、それを応用して『大大吉』にもお通しの名物として「大大吉煮込み」(480円)を投入。牛肉と牛内臓肉をたっぷり使った煮込みを鉄鍋で提供するが、「Instagramのフォロワーになるとおかわり無料」のサービスを用意してフォロワー数アップを図った。

お通しとして提供する「大大吉煮込み」(480円)。写真は2人前

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現在のフォロワー数は1,850人を超えるが、フォロワーの再来店を喚起するためにほぼ毎日、営業開始時間直前に空席情報などをストーリーズで投稿。「アルバイトスタッフが来店を呼びかけるなど、投稿内容も機械的にならないように工夫することで、閲覧数は600件ほどをキープしており、それが来店につながることもよくあります」と石井氏はその成果を強調する。

当日の空席状況をストーリーズで配信。閲覧数は600件ほどをキープしている

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LINEメッセージの配信は13時ちょっと前が狙いめ

一方、LINEは主にキャンペーンなどの案内に活用している。

『大大吉』はLINEミニアプリ機能を利用したモバイルオーダーシステム「funfo」を導入しており、来店客がモバイルオーダーを利用するとLINEの友だちに自動登録される。「タンカルビ100円」や「飲み放題半額」などのキャンペーンメニューを月替わりで導入しており、それをLINEメッセージで配信するわけだが、石井氏は「配信時間もポイント」だと言う。

LINEメッセージで配信された2025年1月の「タンカルビ100円」キャンペーン

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「LINEメッセージを配信するのは13時ちょっと前。仕事中は個人的なLINEを閲覧しない人も多いですが、昼休みのランチを終えたタイミングであればLINEメッセージを開封してもらいやすく、『今夜、行ってみようか』という話にもつながりやすいと考えました」

また、キャンペーンの打ち出し方も検証をしながら工夫を重ねた。

「『牛タン全部もり半額』や『タンカルビ100円』はすぐに反応が表れましたが、逆に『赤身サービス』や『ホルモン1品プレゼント』はほとんど集客効果が出なかった。お値打ち度としては差がなくても、言葉ひとつでここまで反応が変わることを実感しました」

2025年4月以降の月商は400万円を推移しており、営業利益率は25%を超えている。3月までは無休で営業していたが、主力メンバーだった学生スタッフが大学卒業にともなって3月で退職。キッチンスタッフを育てるまで、不定休を取り入れているが、最高月商を記録した2024年12月の平日10万円、金~日20万円という日商は現在もキープしている。

「店長就任後の取り組みを振り返り、改めて実感しているのが店づくりは人づくりということです。僕を信じてくれたスタッフがいたからこそ売上増が達成できましたから、今働いているスタッフにも、卒業したスタッフにも心から感謝しています。新人スタッフもメキメキと力をつけているのでこれから無休営業を再開して売上レコードを更新したい」と石井氏は意気込みを語る。

『焼肉ホルモン大大吉 日吉店』
住所/神奈川県横浜市港北区日吉本町1-1-9
電話番号/045-594-9959
営業時間/17:00~24:00(日曜15:00〜22:00)
定休日/不定休
坪・席数/10坪・26席
https://www.instagram.com/yakinikuhorumon_daidaikichi/

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。