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祐天寺『Cotori』に学ぶ「新時代の専門店」。“鳥焼肉×自然派ワイン”で唯一無二の店づくり

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木のテーブルやカウンターに温かみを感じる店内はカフェやバルのような雰囲気(写真提供:Cotori)

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自然派ワインにハマり、南アフリカのワイナリーを訪問。『Cotori』の大きな柱に

鳥焼肉ともう一つ『Cotori』の大きな柱になっているのは自然派ワインだ。しかし、もともと小島さんはワインをあまり飲まなかったという。ワインに興味を持ち始めたのは自然派ワインに出合ってからで、本格的にメニューに取り入れようと決めたのもオープンの1~2か月前だった。

「日本の生産者さんや海外の自然派ワインのインポーターさんにワインの個性やこだわりを聞くことが増えて、その話が面白すぎてハマってしまったんです。2022年には、仲良くなったインポーターさんと一緒に南アフリカの生産者さんを訪ねてきました。10か所ほどワイナリーを訪問し、ワインの商談にも同席させてもらって、ますます興味がわきました。今では日本の生産者さんの所にぶどうの収穫と仕込みを手伝いに行ったりもしています」

国内外からセレクトされた自然派ワイン(写真提供:Cotori)

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ヘルシーな鶏肉と、それをお客が自らおいしく焼き上げるロースター、さらに厳選した自然派ワインを、焼肉店のイメージを覆すようなお洒落でクリーンな空間で楽しむことができる。小島さんの中でそれらのイメージがすべてつながり、『Cotori』が誕生した。

銘柄鶏や部位の食べ比べに加え、ワインに合う創作料理や〆の料理も豊富

営業中は、調理を担当しカウンターに入る小島さんと、ドリンク作りや主に接客を担当するスタッフの2名でお店を運営している。セルフで調理する「焼肉」というスタイルとロースターの手入れの手間が少ないことなどから、人件費を抑えることができている。また、お客には自分で焼いて食べることを楽しんでもらいたいため、回転率を上げるよりも「もう一品」「もう一杯」注文したくなる居心地の良さで客単価を上げる運営を心がけている。

おすすめメニューは、「鳥焼肉8種の盛り合わせ」(1人前2,400円/2人前~)。その日によって内容は異なるが、比内地鶏もも、天草大王の首皮と砂肝、せせり、美桜鶏レバーとむねなど、様々な銘柄の鶏肉や部位が食べ比べられる。たまにしか入荷しない希少部位を楽しめる「本日のかくし鶏」というメニューも人気だ。

本日のグラスワインとおすすめが書かれた黒板メニュー。右上には「本日のかくし鶏」も

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さらに鳥焼肉以外にも、野菜や鶏肉を使った創作料理が多数そろう。自然派ワインと楽しむおつまみとしても最適な「冷たいお料理」「温かいお料理」のジャンルだけでも約25品を数える。なかでも人気スペシャリテといえるのが「ヨメのメンマ」(600円)と「低温調理 白レバーのキャラメリゼ」(900円)だ。

「『ヨメのメンマ』はコロナ禍でテイクアウトメニューを考えていた時、妻の『メンマはどう?』という一言から生まれました。今でもファンが多く、必ず注文するというお客さまもいます。『低温調理 白レバーのキャラメリゼ』は低温調理した白レバーをバーナーであぶってキャラメリゼし、バルサミコソースで召し上がっていただきます。ワインによく合う人気の前菜です」

「低温調理 白レバーのキャラメリゼ」(900円)はワインによく合う前菜として大人気のメニュー(写真提供:Cotori)

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そのほか、〆の「お食事」メニューも15種類ほどと豊富だ。こうしたおつまみになる創作料理が豊富なことも集客につながり、遅い時間帯からはワインとおつまみだけを目当てに訪れるお客も少なくない。グラスワインも常時10種類ほどそろえている。

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小坂知美

ライター: 小坂知美

学生時代からの食への探求心と食いしん坊が高じて、フードライターとして活動中。飲食業界でパティスリーやレストラン等の広報・PRに就いていたことから、取材を受ける飲食店側の立場も経験。作り手のこだわりと愛情が詰まった、美味しいものを食べているときが至福の時間。