『新宿一丁目たぬき』も好調! 売上50億円企業のStyLeが「超属人的経営」を貫くワケ
飲食業界は慢性的な人材不足に陥っているが、その波に逆らい、あえて「超属人的経営」を掲げて急成長を遂げている企業がある。グループ売上50億円、全国に約90店舗を展開し、2025年10月にオープンした『新宿一丁目たぬき』も好調の株式会社StyLeだ。なぜ効率化ではなく、人に深くコミットするのか。有給完全消化など定着率を高める独自の人事戦略と採用の秘訣について、代表取締役の石川瑛祐氏に聞いた。
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人材不足だからこそ「いい会社作り」が鍵。超属人的な店づくりがブルーオーシャンの時代へ
創業から12年のStyLe。『ミシュランガイド東京』でビブグルマンに選出されたうどん店『香川一福』やとんかつ店『Fry家』、大衆酒場『青山一丁目たぬき』など、特定の業態に縛られることなく成長を続けてきた。その根底にあるのは、徹底した「現場主義」と「人への投資」だ。石川氏は、現在の飲食業界における属人化の価値をこう語る。
「人がいない時代だからこそ、属人的な店作りをしています。大手チェーンのようにマニュアル化して誰でもできるオペレーションにするのではなく、その人にしかできないサービス、そのチームだからこそ生まれる熱量を大切にしたい。これは非常に手間とコストがかかることですが、他社がやらないからこそ、まねできないお店ができる。やり続けた先に、ブルーオーシャンが広がっていると思っています」
規模の拡大を追いながらも、中身はあくまで「個」を尊重する。この難易度の高いバランスを保つために、同社が何より注力しているのが「いい会社作り」だ。「給与」「休み」「やりがい」「労働環境」の4つの要素において他社に対する優位性を確保することで、集めた人材を定着させ、強い組織を作り上げている。
「給与」「休み」「やりがい」「労働環境」の4つの要素で差別化。店舗ごとの個性も発信
こうした「個」を尊重する姿勢は、採用活動における媒体選びにも表れている。人材難が叫ばれる中、同社は『新宿一丁目たぬき』のオープニングスタッフ募集において確かな成果を上げた。
採用成功の要因の一つとして、石川氏は「店舗ごとの個性の発信」を挙げる。同社は長年「求人飲食店ドットコム」を活用しているが、その理由は同社の事業スタイルと媒体の特性がマッチしているからだと話す。
「当社のように、居酒屋から焼肉、うどん店まで多種多様な業態を展開している企業にとって、会社単位の画一的な求人情報では魅力が伝わりきらないことがあります。その点、『求人飲食店ドットコム』は店舗ごとの個性を表現しやすく、飲食に特化しているため、我々が求めている『飲食を楽しめる人』に届きやすいと感じています」
実際に『新宿一丁目たぬき』のオープニングでは、「求人飲食店ドットコム」経由で約40名の応募を獲得。そこから4名の内定を出し、最終的に3名の入社に繋がったという。
オペレーション重視のチェーン店としてではなく、あくまで「個店」としての魅力を打ち出す。そうすることで、手作りへのこだわりや店舗の雰囲気に共感する層からの応募を集めることができたようだ。






