清澄白河の人気ワインバー『ガゼボ』。ムーブメントを牽引したのは“来店を断る勇気”
意外にもワイン初心者の来店も多い『ガゼボ』
来店客は20~30代が中心で、女性同士のグループやカップルのデート利用も多い。ナチュラルワイン愛好家が多いのだろうと推測したが、実はそんなこともないそうだ。『ガゼボ』がきっかけでワインが好きになったお客も多く、「ワインを気軽に楽しむ人たちを増やしたい」と考えていた新宮さんにとって、それはとても嬉しいことだという。
ワインリストはなく、好みを伝えて相談しながらワインを選んでいくスタイル。フランス産のナチュラルワインをメインに扱い、グラスワインは日ごとに異なるものを10数種類、1,200円~用意している。ボトルワインは7,000円~で、飲み切れなかった場合は持ち帰ることも可能。注文の際に相談すれば、なるべく日持ちのする種類を選んでくれるという。
料理は、シェフの中村梨沙さんが作る“パリのビストロ”をイメージしたワインに合うアラカルトメニュー。「ブッラータチーズとシャインマスカット」(2,800円)や「フレッシュマッシュルームのサラダ」(1,400円)、「ポークリエットと自家製パン」(800円)などがおつまみとして人気。さらに「牛カイノミのステーキ」(5,000円)などメインの料理もそろう。どの料理もボリュームがあるが、1人での来店客向けにハーフサイズにも対応してくれる。
下町で受け入れられた肩肘張らないナチュラルワイン文化
清澄白河は住宅地のため、金曜の夜は街自体が比較的静かだという。土曜は昼間からカフェ目当ての人や街を散策する人などで賑わい、『ガゼボ』も予約必須だ。平日の夜はふらっと立ち寄る近所の常連客も多く、「ワインを飲みたい気分の時に思い出してもらえる店でありたい」と新宮さんは話す。
『ガゼボ』の予約方法は電話のみで、現在でも予約の際に「ワインは飲まれますか?」と会話をしながら確認している。Instagramを見て予約するお客も増えたことから、この電話での確認も以前よりもスムーズに行えるようになった。ワインバーであることが確実に受け入れられている証拠だ。
最後に質問してみた。
「『お客さんはワインを飲める方のみ』というルールを貫き通して良かったですか?」
「はい、そうですね」と新宮さんは優しい笑顔で答えてくれた。
好きなものに真っすぐ向き合う新宮さんの店づくり。来店を断るという勇気ある選択も、「ワイン好きのすそ野を広げる」という『ガゼボ』の“使命”を純粋に全うしたからこそ。清澄白河のワイン文化を育ててきた『ガゼボ』は、これからもこの街でワインを楽しみたい人たちを温かく迎えていくだろう。
『ガゼボ(Que c'est beau)』
住所/東京都江東区平野1-13-9
電話番号/03-6240-3901
営業時間/17:00~24:00(土日16:00~22:00)
定休日/月火
席数/23席(カウンター5席、テーブル18席)
https://www.instagram.com/que_cest_beau_kiyosumi/









