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食事補助の非課税枠が7,500円に倍増! 飲食店経営者と従業員の「得する額」を解説

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飲食店経営において、福利厚生の充実は人手不足解消への一助となる可能性を秘めている。福利厚生の中でも、食事補助は飲食店で働く大きな魅力の1つといえるだろう。その「食事補助」の非課税限度額が、令和8年度(2026年度)の税制改正で引き上げられる見通しだ(参考1)。今回は、制度の変更点と、導入によってどれほど「得」をするのか、具体的な数値とともに紐解いていく。

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42年ぶりの改正! 月額3,500円→7,500円で何が変わる?

食事補助の非課税枠は、1984年から月額3,500円に据え置かれてきた。しかし、この額では1日当たり175円ほどの補助にとどまってしまう。近年の物価高騰も相まって、従業員の負担軽減としては十分に機能していなかった側面もあるだろう。

こうした状況を踏まえ、政府は食事補助の非課税限度額を7,500円(税抜)に引き上げる方針を打ち出した。通常の昇給で月額7,500円アップした場合、手元に残る金額は税金や社会保険料などを天引きされるのが一般的だ。一方で、食事補助を活用すれば、最大7,500円分をそのまま生活費に回せる計算になる。

食事補助は非課税のため課税所得とはならず、所得税と住民税の節税にもつながる。毎月7,500円(年間9万円)の食事補助を受け取れた場合、課税所得金額別の節税効果は以下のようになる(参考2)

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飲食店が導入するメリットと、運用時に守るべき「2つのルール」

飲食店経営者にとっても、メリットは大きい。給与を引き上げた場合は、企業側が負担する社会保険料も併せて増加するが、食事補助として支給すればその負担を抑えられる。社会保険料の会社負担分を約15%と仮定しよう。従業員1人当たり7,500円支給する場合、給与であれば実質的なコストは約8,625円となるが、食事補助なら7,500円で済む。

また、求人時のアピールポイントとしても有効だ。慢性的な人手不足の状況において、食事補助という福利厚生は、従業員満足度の向上や定着率の改善、さらには採用競争力の強化にもつながる。

このように、双方にとってメリットがある制度だが、適用には次の2つのルールを守る必要がある。

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■補助額は月7,500円以下、従業員が食事代の半分以上を負担すること
1つは、従業員が食事代の半分以上を負担することだ。例えば、1万5,000円分の食事を提供する場合、飲食店が補助できるのは7,500円までとなる。もし飲食店が食事代の半分以上を補助してしまった場合、その補助額の全額が給与とみなされ、課税対象となってしまう点は注意したいところだ。

■現金の食事手当ではなく、現物給与扱いとすること
もう1つは、食事手当ではなく現物給与扱いとすることが挙げられる。使い道が限定されない現金として給与と一緒に振り込んだ場合、全額が課税対象となる。非課税とするためには、社員食堂の利用や仕出し弁当の提供、あるいは特定の飲食店やコンビニ、カフェなどで使える「チケットレストラン」などの食事補助サービスを活用する必要がある。そのため今回の税制改正によって、加盟店となっている飲食店では、売上増加も見込めるだろう。

今回の制度改正は飲食店経営者と従業員の双方にとってメリットがあり、実質上の賃上げともいえる貴重な機会となりそうだ。従業員の定着率アップや採用力強化にもつながるため、店舗に合った形で導入を検討してみてはいかがだろうか。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com