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坪月商75万円のアヒージョ専門店『AJILLO』。“高回転・高単価の全卓IH”という革新的モデル

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『AJILLO上野店』の内観。カウンター席のほか、テーブル2卓も用意する(画像提供:Alvino株式会社)

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ライブ感と客単価アップを両立する「卓上アヒージョ」の発明

専門店化にあたり、落合氏が導入した最大の武器が、「卓上アヒージョ」というスタイルだ。全卓にIHヒーターを埋め込み、各卓でアヒージョを調理する——「一人焼肉」のアヒージョ版とも言えるこのシステムは、単なる演出以上のメリットを生んでいる。最大の狙いは「温度」だ。

「アヒージョは作りたてが一番おいしい。ですが、従来の提供方法では食べているうちに冷めてしまいます。最後までアツアツを楽しんでもらうには、お客さま自身に火を入れてもらうのがベストでした」

その業態開発における最大の障壁となったのが、卓上調理を前提としたオイルである。

「通常のアヒージョに使用するオリーブオイルは熱に弱く、水分と反応して油はねしやすいのが難点でした。そこで複数のオイルを独自ブレンドし、風味を保ちつつ油はねを抑える配合を開発したんです。鍋も当初の浅い南部鉄器から、深さのあるものへ変更するなど、試行錯誤を重ねました」

そうして完成したのが、オリーブオイルをベースにハーブなどを漬け込んだ5種類のオリジナルオイルだ。

上質な鰹節をふんだんに使用し、和風に仕上げた「かつお節オイル」、ショウガの香りがさっぱりとした「生姜レモン」、複数のハーブとニンニクを漬け込んだ「ハーブオイル」、世界一辛いトウガラシとしてギネスブックにも認定されているキャロライナ・リーパーと花椒を漬け込んだ「辛しびオイル(現・麻辣オイル)」、トリュフの芳醇な香りが広がる「トリュフオイル」。いずれも個性が際立ち、ここでしか味わえないフレーバーがそろう。

アヒージョは5種類のオリジナルオイルが選べる

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同店ではお通しとして、シラス入りのオイルとニョッコ(揚げパン)を提供しているが、このタイミングで好みのオイルをセレクトしてもらう仕組みを構築。価格は各1人前550円で、トリュフオイルのみ+1,500円。途中で味を変えたい場合は、+390円で「オイル交換」も可能だ。味変をエンターテインメント化することで、お客を楽しませつつ、客単価アップにもつなげる見事な導線である。

具材を選べるのも楽しい(画像提供:Alvino株式会社)

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具材は野菜、魚介、肉類など常時20種類以上。ガラスケースから具材を見て選べるスタイルを導入し、ライブ感を高めて「あれも食べたい」といった注文意欲を喚起する。

バラエティに富んだ具材は270円~

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「安全面を考慮し、トッピングのほとんどは、仕込みの時点で加熱処理しています。卓上調理は、シャキシャキがいい、逆にクタクタがいい、などお好みの状態で召し上がっていただけるのも魅力です。個人的なイチオシの具材はカニカマ。意外に思われるかもしれませんが、スペインでは“surimi(スリミ)”として親しまれている食材なんですよ。アヒージョにすると驚くほどふわふわの食感になります」と落合氏は笑う。

アヒージョの一例。具材をおまかせで注文することも可能(画像提供:Alvino株式会社)

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河西みのり

ライター: 河西みのり

フリーランスで活動するライター&インタビュアー。現在はソーシャルメディアや業界紙など多岐に渡り執筆。飲食店取材からレシピ本の編集、お取り寄せカタログのコピーまで“食”にまつわる分野を得意とする。