坪月商75万円のアヒージョ専門店『AJILLO』。“高回転・高単価の全卓IH”という革新的モデル
10坪・月商750万円を支える「セントラルキッチン」の存在
平均3回転、週末は4回転を記録し、客単価は約3,300円という『AJILLO上野店』。この高回転かつ高密度な営業を、わずか10坪の店舗でどう回しているのか。その鍵は、店舗外のバックアップ体制にある。
同社は系列のフレンチデリ店『Gourmandise Alvino(グルマンディーズ アルヴィーノ)』にセントラルキッチン機能を持たせているのだ。手間のかかる一品料理の仕込みを一括で任せることで、店舗スタッフはアヒージョの提供や接客に集中でき、狭小店舗でもスピーディーな提供が可能となる。
多店舗展開を加速させる動力にもなっているセントラルキッチンの存在。現在、直営に加え神田や高知でFC展開も行っており、料理品質の安定化が、FCオーナーの安心感につながっていることは間違いない。
セントラルキッチンが中心的な役割を果たすことで、メニュー開発も促進。全店のヒットメニューを共有し、下北沢店で生まれた「麻辣オイル」が全店のレギュラーになるなど、現場発のアイデアが循環する仕組みができ上がっている。
飲食店は「アミューズメント」であれ。目指すは100店舗
「当社は『楽しい食事をモットーに』を理念に、店舗展開を進めてきました。僕は、飲食店は“アミューズメント”だと思っているんです。お金をいただく以上、料理やドリンクがおいしいのは大前提。その先にある『楽しかった』という体験や、食事を通じて元気になってもらい、『明日からまた頑張ろう』と思ってもらえることを大切にしたいんです」
料理だけで勝負するのではなく、空間や体験の提供も大切。その根底にあるのは、落合氏の「飲食店=アミューズメント」という哲学だ。
例えば「なみなみスパークリングワイン(900円)」や、ワインをソーダで割る「ワインがぶ飲みセット」(700円/「なか」のみは500円)など、ドリンク一つとっても「楽しさ」や「お得感」が視覚的に伝わる工夫が凝らされている。20~30代の女性客が多いことから、「大人のいちごオレ」(750円)などデザートカクテルも充実させ、食事の締めまで「体験」としてデザインしているのも面白い。
今後は東京にとどまらず、大阪や福岡といった主要都市への進出に加え、横浜エリアなど関東圏内での展開も視野に入れている落合氏。直営店に加え、FC展開も組み合わせながら、『AJILLO』業態を広げていく考えだ。
「アヒージョ専門店」や「オイル交換」といった名称を商標登録するなど、アイデアを業態として守り、展開につなげるための取り組みも進めてきた。発想を形にするだけでなく、継続的な出店を見据えた設計も、同社の特徴といえる。
将来的には、グループ全体で100店舗規模を目標としているAlvino株式会社。取材中には、落合氏が料理長に対して新メニューのアイデアを投げかける場面も見られた。こうした試行錯誤を日常的に重ねながら、業態づくりと出店を続けているのだろう。一方で、頭の中にはまだ形になっていない業態がいくつもあるという。次なる一手、その実現に向けて人材の確保と育成が課題だ。
『AJILLO上野店』
住所/東京都文京区湯島3-41-3
電話番号/050-5488-2313
営業時間/14:00~翌1:00(金曜・土曜・祝前日14:00〜翌3:00、日曜・祝日14:00〜23:30)
定休日/第2・4水曜
坪数・席数/10坪・20席
https://www.instagram.com/ajillo_ueno_















