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竹田クニ氏が語る「2026年の外食トレンド」。激動の時代に飲食店はどう変わるべきか?

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画像素材:PIXTA

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新たな価値のキーワード「ウェルビーイング」への転換

過去の記事でも「モノ消費」(70年代~90年代中期)から「コト消費」(2000年代初頭)、そして「イミ消費」(2010年代~)へと消費の価値観が進化してきたことをお伝えしてきました。そして今、その「イミ消費」をも包含する次世代の概念として、「Well-being(ウェルビーイング=身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)」が提唱され始めています。実際、欧米の先進企業では、SDGs(Sustainable Development Goalsの略=持続可能な開発目標)のさらに先にある概念として、「SWGs(Sustainable Well-being Goalsの略=持続可能な幸福の目標)」という考え方を取り入れ始めています。

SDGsが平等や公正、脱貧困などソーシャルグッド的な持続可能な目標を提示しているのに対し、ウェルビーイングはSDGsを進めた結果、人々が抱く持続的な健康や幸福が言及されていることが特徴です。近年ではこのウェルビーイングがSDGsに続く次世代概念として取り入れられ、また採用する企業が増えてきました。

飲食店において、これまでも「健康」や「安全」は大切なテーマでした。しかしこれからは、もっとポジティブで内面的な充足感が求められます。おいしいものを食べて幸せを感じる、心地よい空間で癒やされる。そうした体験にお金を払うことが、自分を大切にすることにつながり、自己肯定感を高める。そんな消費行動が、これから重要な要素となっていくと予測しています。

外食産業におけるウェルビーイングの構成要素。「食べる」ことだけでなく、調達や従業員の働きがいまで多岐にわたる

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ウェルビーイング的な飲食店の3つのトレンド

ウェルビーイング的な飲食店のトレンドとして、具体的には3つの方向性が挙げられます。

1つ目は「積極的な健康」です。何かを我慢する健康法ではなく、オーガニック、高タンパク、発酵、腸活など、エビデンスに基づいた体に良いものを、積極的に、おいしく、スタイリッシュに取り入れるスタイルです。

“食べる化粧水”とも呼ばれる出汁「ボーンブロス」を料理に活用した東京・大手町『梯子(はしご)』

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2つ目は「心のデトックス・リトリート」です。現代人はデジタルに囲まれ知らず知らずのうちに大量の情報に接するストレスを抱えがち。だからこそ、自然を感じる空間や、古民家のような懐かしさ、あるいはアートや音楽に没入できる環境で癒される、整う、リセットされる……という時間・空間が必要とされています。日常から離れ、心が整うようなリトリート的な体験ができる店。それが心のデトックスにつながるとして注目され始めています。

中目黒のレコードカフェ&ワインバー『Epulor(エプロア)』。こだわりの音響設備で音楽に没入できる

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3つ目は、「孤(個)」の居場所。1人でも気兼ねなく過ごせる場所、あるいは店主や常連客との適度な距離感のコミュニティがある店です。現代は便利で効率的な世の中になった一方で、ひとり(孤独・個人)で過ごす時間が意外なほど多い。そんな忙しい孤(個)をもてなし、癒し、解放してくれる、馴染みの店や地元の居酒屋、スナックのような、温かい人間関係がある店が見直されています。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。