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坪月商60万円超えの池袋『立呑みあらし』。売上を約27%上げた「人件費は削ったら負け」の法則

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「名物!刺身盛り合わせ」(写真は2人前)。その日の単品の刺身メニューが並ぶ

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売上減でも「人件費は削ったら負け」。あえてスタッフを増員し“100%の接客”へ

『立呑みあらし』が着手した接客面での改善策とは、はたしてどのようなものだったのか。最も大きな変化が、スタッフの拡充だ。11坪の同店で、それまでは常時4人体制だったものを5~6人体制にシフト。「たぶん4人が適正なんですが、そこを5、6人にしました。シフトを出してくれた人はなるべく全員入れています(笑)」と田中氏。常時100%の接客をするためには必要なことだったという。

「高いクオリティの接客を常に提供できる状態を作ろう、と考えました。経営者マインドだと、本来は売上が下がったら人員を削ると思いますが、4人でやらなければいけないところを5、6人でやり、お客さまとのコミュニケーションがちゃんと生まれるようにして、来たお客さまが100%の接客を受けられる状態にしたんです。今も基本的には同じで、多すぎると思ったら『アーニー』にヘルプに行ってもらうなどして調整しています。『人件費を削ったら負けや』と思っています」(田中氏)

店内に掲示されている日本酒チャート。日本酒メニューは毎日変わる

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同グループのようなお客との距離が近い小規模な店舗では、お客は店ではなく“人”につく。それゆえ、忙しい時間帯でもお客とコミュニケーションが取れるようにスタッフを増やし、接客力を最大限に発揮できる体制を整えた。

「毎月のミーティングで絶対に言うのが『元気な人のところにしか、人は集まって来うへんで』ということ。人が少ないと、オーダーがたくさん入ったり、仕込みや掃除をしたりしていると疲れてしまいます。僕らに元気がなかったら、絶対にお客さまも来ないんですよ。だからみんなが元気でいる環境を作るためにも、人は削ったらいけないなと」(田中氏)

お客と積極的にコミュニケーションを取りにいくのが、同店の接客スタイル。お客との距離を縮めるためのアプローチ方法をスタッフ間で共有することで、接客レベルをより高みへと引き上げているようだ。

「お客さまには、目が合ったらスタッフからぐいぐいいきますね(笑)。常連さんになってもらうためには心の距離を近づけないとダメ。心の距離を近づけるため、『この人にはどういう切り口で行ったらええかな』ということを、スタッフは全員考えています。見つけた切り口はミーティングのときにみんなでシェアしています。共通しているのは『お酒を3杯飲んだら、大体の人は喋りかけても大丈夫』ということ(笑)。3杯ぐらい飲んだら、お客さまもほぐれているので」(田中氏)

お客のみならず、スタッフにも楽しんでもらうことを意識していると小嶋氏も話す。

「お客さま満足度、イコール従業員満足度。やっぱり、アルバイトスタッフが一番お客さまとの接点が多いから、スタッフのテンションや元気は大事ですね。“もうひとつのお客さま”というか、アルバイトスタッフのテンションが低かったらちゃんと上げてあげないといけないし、彼らが元気になるように僕たちも元気にならないといけないな、と。ケアをしっかりとすることがすごく大事だと思います」(小嶋氏)

料理メニューの単価は660円。魚介類は、懇意の鮮魚店に頼んで毎朝豊洲市場で買い付けてもらっている

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そんな同店が接客におけるキーワードとして掲げるのが、「0円でお客さまに喜んでもらえることには全部チャレンジしよう」だと田中氏。

「例えば左利きの常連さんには、箸が使いやすい方の端の席を勧めるとか。それはタダでできるじゃないですか。ほかにはお客さまの名前を覚えたり、帰るときにお見送りしたり、全部タダでできることだけど、された側は嬉しいですよね。そういうことを、思いついたらどんどんチャレンジしていこう、と言っています。ハキハキした声で、楽しそうに笑顔で接客することもタダでできることだから」(田中氏)

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河鰭悠太郎

ライター: 河鰭悠太郎

食とエンタメのフリーライター。業界紙、一般情報誌、エンタメニュース編集部などを経て2017年に独立。現在はフリーランスとして取材、執筆、撮影、校正まで手掛ける。ラーメン取材の経験が豊富で、現在も定期的にラーメン店の仕込みを取材。ラーメンとタイ料理好き。趣味はラーメン作りとムエタイ。