坪月商60万円超えの池袋『立呑みあらし』。売上を約27%上げた「人件費は削ったら負け」の法則
原価率40%の日替わりメニューで飽きさせない! スタッフ育成も兼ねた料理の工夫
接客面だけではなく、料理メニューも改善した。例えばボリューム。それまでよりポーションを減らして、そのぶん値段も手が届きやすくしたという。
「おいしいけどあんま出えへんな、という商品を分析して、ポーションを減らして手の届きやすい値段にするなど、商品ごとに改善点を見ていきました。あとは盛り付け。僕らは、料理をするときに“感動ポイント”というワードを使うんです。例えば『この料理の感動ポイント、どこにあるやろうか』というように。それを見ていきましたね。例えばオープン直後は、刺身の盛り合わせは1人前のお皿の真ん中に盛るスタイルでしたが、目の前に来たときの盛り上がりに欠けていたので、高級店の盛り方を勉強して、高級感がある盛り付けに変えるとか。お皿も合羽橋に行って買い替えました」(田中氏)
同店の料理メニューは旬の魚を中心に構成する。人気メニューは「名物!刺身盛り合わせ(1人前)」(880円)、「名物!あら煮」(330円)、「名物!漁師巻き」(550円)など。これらはレギュラーメニューだが、基本的にはメニューは仕入れ状況で決まる“日替わり”だ。メニューの構成は社員の料理スタッフがその都度決める。
「週6日の営業の中で、3人の社員にはそれぞれ2日ずつ、自分が好きにメニューを作っていい日が回ってくるんです。お魚が名物で肉や野菜も出す、というコンセプトの範囲内なら、なんでもやりたいことをやって、と言っています。毎日新しいメニューにチャレンジしていると、自然とどんな料理でも作れる状態になるので、教育面にも役立っている仕組みだと思います」(田中氏)
魚は、近隣の懇意にしている鮮魚店から仕入れたものを使用する。「『こういう魚が欲しい』と前日に連絡して、毎朝豊洲に買い付けに行ってもらっています。その魚屋は『微妙だったら買わない』というスタンスで、脂が乗っていて旨みがしっかりあるものを買い付けてきてくれるので、魚はかなりいいものだという自信があります」と田中氏。料理メニューの原価率は40%。平均単価は660円と、単価200~300円の立ち飲み店に比べると安くはないが、舌が肥えているサラリーマンにも“刺さる”ことを意識しているという。
「昔ながらの大先輩方たちの立ち飲み屋の場合は、たぶん単価200円、300円のイメージだと思いますが、それとは逆張りをしていて、全然安くはないです。普段会食などでおいしいものを食べて舌が肥えているエリートサラリーマンたちが1人でふらっと入れる店って少ないので、そうした層にしっかり刺さりたいと考えています」(田中氏)
同店の平均客単価は3,800円。客層は7割がリピーターで、サラリーマンのみならず、20代から70代までと幅広い。同社では、全店で住宅エリアと街の境目に出店する戦略を採用しているため、『立呑みあらし』でも「近隣に住んでいる常連客」と「仕事終わりの池袋エリアの会社員」が混在しているという。
今後は、月商800万円を目標に掲げる。
「売上は10%アップを目標にしていきたいなと。この店は11坪なので、坪月商75万円までいけたらと思っています」(田中氏)
立ち飲みの成功を経て次なるステージへ。池袋に初の“座り”焼鳥店をオープン!
現在、3店の“立ち飲み”業態の居酒屋を展開しているこびと企画。今後は、同じ池袋で同社としては初の“座り”業態となる、焼鳥店の出店が決まっている。イメージしているのは、クオリティの高い料理をコスパよく提供する、高級店と激安店の中間のお店。客単価は5,000~6,000円を想定しているという。
「東池袋のサンシャインの近くで、7月中旬ごろのオープンを予定しています。焼鳥を食べたいなと思っても行きたい店が身近にないので、自分が行きたい焼鳥屋さんを作ろうと思いました」(田中氏)
立ち飲み業態の成功を経て、新たなステージへ。同社のさらなる挑戦が今後、池袋の街にどのような旋風を巻き起こすのか、注目が集まりそうだ。
『立呑みあらし』
住所/東京都豊島区池袋2-61-3池袋アバックビル1F
電話番号/03-6907-0160
営業時間/17:00~24:00(土曜14:00~24:00)
定休日/日曜
坪・席数/11坪、約35席(スタンディング)
https://www.instagram.com/tachinomi_arashi/









