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ヒットメーカー『SANYA』が小商圏・祐天寺にあえて出店。凱旋初月から月商600万円と絶好調!

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店舗横に全天候型の屋根付き立席スペースがあり、奥がコーヒースタンド

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最高級コーヒーマシンは地域とのコミュニケーションツール

一方で地域密着型の施策として、カフェ事業を新展開。コーヒースタンドを併設し、日中のみ営業を行う。地域リテラシーの高い曽我氏は、地元民の属性から居酒屋需要が低いと理解し、地元の人が通いやすいカフェと居酒屋の二毛作に取り組む。

「コーヒーマシンは地域とつながるツールとして捉え、300万円を投資しました。導入したのは、ラ・マルゾッコ(イタリア)の最高級ブランドのマシン。本来の相場なら1杯750円くらい取るべきコーヒーを550円で出しているから、収支が合わなくて(苦笑)。ビジネスというより、地域の人に還元していくための投資ですね」

店頭右手前がコーヒーマシン。今後は自家製チーズケーキなども提供予定

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居酒屋業では考えられない買い物……。自店を地元に根付かせたいと願う、曽我氏の本気度が伝わる。しかしながら、ロマンを抱くだけでは大きな投資はできないはず。同社独自の出店費用を極力圧縮する経営メソッドにより、最高級コーヒーマシンやアンティークの高級什器・家具などの購入資金をプールできるのだ。

店内の1992年・JBL製大型スピーカー。ほか、約110年前のイギリスのアンティークチェアなど、普遍的に美しいデザインの什器・家具が並び、お客の高揚感が増す

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開業資金を抑える最たる手段がDIYである。自社4軒目となる古民家リノベーションも、内装の解体から店舗デザイン、左官の仕事を含む施工全般までセルフ。インフラの電気・ガスの工事こそ業者に頼んだが、なんと水道工事にも初めてトライした。

どの席からも炭火焼きライブが見られるようなコの字カウンターを設計(写真提供:株式会社souzou)

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ブティック風ファサードと丸太から造る階段がDIYの目玉

店舗デザインで象徴的なのは、通りから店内が見える全面ガラスばりのファサードの造り込み。紳士服店『サンロード』時代の残置されたオーニング(ひさし)が馴染むように、「アパレル店で使うような強化ガラスを入り口に設置し、昭和のブティックぽい雰囲気を出しました。店内の壁一面の鏡もブティックの名残、元々あったものを綺麗に直した。それらを見た『サンロード』を知る人は懐かしく思うし、知らない人は興味をもつ」と、曽我氏は説明する。

写真右側が大きなミラー。『サンロード』を知らない世代は「ここは何の店?」と思うそう

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『祐天寺SANYA』は2階建てで、上階は6名個室として利用可能。動線用に鉄筋の外階段が残されていたが、料理の配膳もあるため、内階段を増設した。しかも築60年の建物の柱や梁と調和が取れるように、200㎏の丸太1本をスタッフ総出で搬入。一から木製階段を完成させたのだ。

内階段は目線の“抜け感”を演出。滞在中の客にストレスを感じさせない空間設計を意識する

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仮に施工を外部発注した場合、費用はDIYに比べ「3倍かかるはず。けれど、ほかではここまでできないと思いますけど」と曽我氏は言う。確かに、これまで3軒の古民家を試行錯誤し改装した結果、壮大かつ緻密なDIYに挑めたと言える。実は同社がDIYを追求する一番の理由は、コスト削減ではない。「自分たちの創りたい世界観を表現しやすい」からだ。曽我氏は具体的に詳解する。

「デザイナーさん、職人さんにお願いすると、自分たちの脳内にあるイメージを100%伝えきることは難しい。彼らと擦り合わせて生じるタイムラグやズレもすごく嫌で……。であれば、自分たちでやった方がよりこだわれるし、その場合わせの調整もできる。特に古民家の場合、元々ある部分をいかに活かしながら造っていくかという仕事になるので、自分たちで造作した方が世界観を創りやすい。僕の中では空間設計がものすごく重要だと思うから、自分たちでやるしかないんです」

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小林智明

ライター: 小林智明

埼玉県出身。情報誌の編集プロダクションを経て、2006年にライターとして独立。食、旅、スポーツ、エンタメなど多岐にわたり取材・執筆活動を展開中。グルメ取材はラーメン店を中心に計500軒を突破。好きなお酒は辛口純米酒。