ここ数年の傾向から探る、飲食店の忘年会対策。実践したい4つのポイント
ここ数年の忘年会の傾向は?
2015年も残り2か月を切った。ご存知の通り、年末は忘年会やクリスマスなどのイベントがあるため飲食店にとってはかき入れ時。この繁忙期を乗り切るために、今まさに準備を進めている店舗も多いのではないだろうか。
ここ数年の忘年会の傾向をご紹介すると、まず開催の傾向として、会社で企画される忘年会に加え、友人同士で開催する忘年会、そして主婦同士で開催する忘年会が増加傾向にあるようだ。主婦同士で開催する場合は、ランチ帯で、しかも子連れであるケースが多い。「忘年会=夜」というイメージが少々崩れつつあるようだ。また、忘年会といえば大勢で大皿料理をシェアすることが多いが、最近は小ポーションかつ良質な料理を提供することがトレンドになっている。今回はこの辺の傾向を踏まえながら、売上アップに繋がる集客術についてご紹介していく。

Photo by Hideyuki KAMON「Hoegaarden」
■満席時の対応は早割・遅割のサービスを取り入れる
忘年会は開催時期が重なるため、どうしても予約で埋まってしまうことがある。それはそれでありがたいのだが、新規の予約が入っても断らざるを得ない。そんな時に活用したいのが、「早割」「遅割」のサービスだ。忘年会は19~22時あたりで開催されることが多い。たとえば17~19時の開催なら5%引きといった具合に割引制度を用意しておけば、断らざるを得ない予約が入った際も、「この時間でしたら…」という提案ができる。無下に断るよりはいく分かマシというわけだ。もちろん22時スタートを希望するような忙しいビジネスマンも多いだろう。そういう忘年会を積極的に獲得していくためにも、この「早割」「遅割」のサービスは用意しておいた方が良さそうだ。
■主婦の需要に応えるために、ランチ帯の忘年会コースを用意する
子育てや家事があるため、なかなか夜に出歩くことができない主婦たち。そんな彼女たちのために「ランチ忘年会」を提案すれば一定のニーズが見込めるだろう。普段のランチでは味わえない少し贅沢なメニューを用意しつつ、2,500~3,000円程度に収まるような料金設定にするのがベストだ。
■子連れ客でも安心できる店づくりを
ランチ帯に忘年会を開催する主婦のために、子連れ客の対策を行っておくと良いだろう。ベビーカーが置ける場所を確保する、子ども用の食器や座席を用意しておく、子連れ客を通すべき席をあらかじめ決めておくなど、様々な対策がある。普段子連れ客が少ない店舗でも、こうした対応策を講じておくことで、ランチ忘年会の需要にも気軽に応えることができるだろう。店頭やホームページ上に「子ども連れ歓迎」などの案内を出しておくと集客率アップにも繋がる。
■人気メニューは大皿ではなく小ポーションで提供する
忘年会のコース料理といえば、大勢で大皿をシェアすることがほとんど。しかし最近は、大皿をシェアするのではなく、一人分をゆっくりと食べたいという人も多い。ただ、大人数が一気に押し寄せる忘年会時に、小ポーションで料理を提供していくのは現実的ではない。大皿を使用しつつも、人気メニューだけは小ポーションで小分けにするといった工夫を行うのが良いだろう。
ぐるなびの調査によると、今年の忘年会のピークは12月18日ごろとされている。この時期を笑顔で迎えられるのかは、今からの頑張りが鍵となる。上で挙げた最近の傾向を押さえながら、忘年会対策に取り組んでほしい。
