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飲食店の開業資金をおさらい。居酒屋、カフェ、ラーメン店はいくらで出店できる?

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最近、東京では、派手な内装や演出の飲食店が話題になっている。例えば、昨年は原宿に『カワイイモンスターカフェ』がオープン。増田セバスチャン氏による、ポップで独創的な世界観が注目を集めた。今年に入ってからは、タレントのコロッケ氏がプロデュースした『CROKET MIMIC TOKYO』(コロッケ ミミックトーキョー)』も誕生。なんとこちらは、内装やメニュー開発に5億円もかけているそう。

ただし、これらは多くの観光客を視野に入れた “エンターテイメントレストラン”。通常の飲食店の枠を超えているので、必要な開業資金も桁違いなのだ。では、通常の飲食店の開業資金とは一体どれぐらいなのだろう。今回は、一般的な飲食店の開業における資金についておさらいしてみよう。

何にどれだけお金がかかるのか?

飲食店の開業にかかる費用の内訳は、まず物件取得や店舗の改装。そして、厨房機器や食器などの備品購入費などが考えられる。さらに、チラシを配ったりグルメ検索サイトに登録したりするための資金。人材を確保するための求人費や人件費も必要だ。そして、店が軌道に乗るまでの運転資金も忘れてはならない。

これらの資金を合わせると、たとえ小さな飲食店の場合でも総額2,000万円は必要。ただし、物件取得費と改装費は、開業する物件をスケルトンにするか居抜きにするかによって大きく異なる。

■スケルトン
建物のみで、内装設備などがない状態の物件のこと。費用はかかるが、いちから店作りができるため、自由度が高く希望のデザインを反映できる。

■居抜き
前に入っていたテナントの内装や設備・什器などが残っている状態の物件。内装工事を大幅に軽減できるのがメリットだ。ただし、専門業者にきちんと確認してもらわないと、後から解体や廃棄費用などがかかってしまうことも。素人判断しないように気をつけよう。

店舗の規模が同じでも、立地によっても掛かる費用は違ってくる。まずは、調達しなくてはいけない金額を設定する。そして、自分でいくらまで用意できるか、借り入れがいくら必要になるか、客観視することが大切だ。

 業態によって異なる開業資金

当然だが業態によって店舗面積や設備が変わるので開業資金も大きく変化する。そこでここからは業態別の開業資金について詳しくご紹介していく。

【バー】
■開業費用:500~1,000万円
10席未満の居抜き物件であれば500万円程度に抑えることも可能。バーは1階路面店である必要はなく、逆に落ち着いた雰囲気の立地が好まれるため、物件費用にそこまで大きな金額を掛けなくて済む。また、大掛かりな調理器具を揃える必要がなく、製氷機や冷蔵庫程度の設備で開業できる。

【ラーメン店】
■開業費用:1,000万円
カウンターメインの10席程度の店舗で1,000万円前後。茹で麺器や餃子焼き機、製麺機といった設備を揃える必要がある。ラーメン店は臭気問題があり、出店可能な物件が限られているので、居抜き物件を狙うのが良い。

【カフェ】
■開業費用:1,500万円
客席数が30席ほどの中規模店の場合。エスプレッソマシンやグラインダーを揃えると費用がかさむので、リースするという選択肢も頭に入れておきたい。またインテリアにはある程度予算をかけ、居心地の良さにこだわるのもカフェ成功の秘訣だ。

【レストラン】
■開業費用:3,000〜5,000万円
客席20~30席で3,000万円程度。高級店の場合は調度品に費用が掛かるので、さらに上乗せになる場合も。店舗の規模が大きくなるほど運転資金も必要となる。理想は追いかけつつも、いかに開店費用を抑えるかが重要な鍵となる。

【居酒屋】
■開業費用:2,000〜4,000万円
客席30席で2,000万円程度。居酒屋は衝動来店を無視するわけにはいかないので、立地にはこだわる必要がある。その分、物件取得費に費用がかさんでしまうことも。

開業のための資金集めは簡単ではないが、公的融資などを利用する手もある。自らの現状をしっかり把握して、計画を立てるところから始めよう。

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いずみかな

ライター: いずみかな

グルメやライフスタイル、育児などを中心に編集執筆業をおこなう。2015年からフリーランスとしての業務を開始。タウン情報誌やレストラン情報を扱うWeb媒体で取材や執筆をしており、特にケーキや洋菓子に興味がある。