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ブルーパブ開業に必要な免許・資格は? ビール醸造と酒税法の話

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ビールを自家醸造している代官山『スプリングバレーブルワリー』のビールセット

ビールや日本酒、ワインなどを自家醸造して提供する店が増えている。自家醸造酒の人気は一体どこからくるのだろうか? 理由として考えられるのが、近ごろ流行している“自家製”や“手作り”などといったキーワードだ。

酒に限らず、自家製の発酵食品や調味料を提供し、個性として打ち出している飲食店は少なくない。しかし、だからといって、自家製の酒を飲食店で提供することに問題はないのだろうか? 今回は、必要な資格や免許などについても触れるので参考にしてほしい。

なぜ“自家製”に惹かれるのか?

大量生産・大量消費の時代が終わり、若い世代を中心に消費を抑制する動きが見られるようになった。しかし消費は抑えつつも、 “たまの外食ぐらい、少し高くても良いものを食べたい”という価値観を持っているのが現代の消費者。そのため飲食店は“安さ”よりも“質”が求められるようになり、この傾向はますます強まる傾向にある。

何を持って“質が良い”とするかはさまざまだが、“ここでしか味わえない”“オリジナリティがある”といったキーワードは、“質”を量るうえでのひとつの判断材料となる。そういう意味では、既製品に頼らずに“自家製”にこだわる飲食店は、“質が良い”と言えるだろう。

また、家庭では自家製の食品を作ることはできても、いちから酒を醸造するのは難しい。それゆえに、外食先への期待が高まる。さらに、近年のクラフトビールブームなども後押しし、“自家醸造酒”に注目が集まっているというわけだ。

クラフトビールの現在

クラフトビールブームはまだまだ継続中。各地でビールフェスが行われ、数種類のビールサーバーから樽生を楽しめる店も増加。小規模な醸造所で職人が仕込むクラフトビールは、様々な個性を持っており、消費者から歓迎されている。

ちなみにクラフトビールは、アメリカやヨーロッパの影響を受けている。特に、小規模な醸造が盛んに行われているアメリカのスタイルを継承した店は多い。

例えば、神田と浜松町に店舗を持つ『デビルクラフト』もそのひとつ。一見するとキッシュのような生地の中に、たっぷりトマトソースやチーズといった具材が詰まったシカゴピザはすべて自家製。それにあわせるのは、専用の醸造所である「デビルクラフト・トーキョーブルワリー」で造ったクラフトビール。苦みが特徴のIPAスタイルや香り豊かなブラウンエールが楽しめる。

ほかにも、自家醸造を行ういわゆるブルーパブはまだまだある。いくつか挙げてみよう。

■品川『T.Y.HARBOR』
醸造所を併設したブルワリーレストラン。2階やテラスなど、約350席を有する。インターナショナルビアコンペでは「IPA」が金賞を受賞。

■十条『Beer++』
水研クリエイトが直製するブルワリーパブ。レギュラーメニューのほか、季節ごとにスペシャルビールも楽しめる。水耕栽培で育てた無農薬野菜のサラダなどを提供。

■阿佐ヶ谷『阿佐ヶ谷ビール工房』
麦酒工房系列。ビールの醸造を1階でおこなっており、フレッシュなビールがそのままタップへと繋がっている。手頃な価格が特徴だ。

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いずみかな

ライター: いずみかな

グルメやライフスタイル、育児などを中心に編集執筆業をおこなう。2015年からフリーランスとしての業務を開始。タウン情報誌やレストラン情報を扱うWeb媒体で取材や執筆をしており、特にケーキや洋菓子に興味がある。