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「とんかつの衣」事件だけではない!? 客のマナー違反、飲食店側はどう対応すべき?

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ペットボトルの飲料水を持ち込んだり、何枚も料理の写真を撮ったり、ついついマナー違反をしてしまうお客様。その都度、きちんとルールをお伝えするしかないのだが、飲食店側にとっては当然のマナーだったとしても、客側にとっては必ずしもそうではない場合も……。

今回は、飲食店側から見た“マナーあるある”と、その対処法について考えてみよう。

とんかつの衣をはがすのはマナー違反?

たとえば、先日テレビ番組『スッキリ!!』で話題になった客の行為がある。それは「カツの衣をはがしてから食べる」というもの。そのときの視聴者投票では、“マナー違反”が40117票、“客の自由”が16849票となり、マナー違反していると考える人が優勢の結果に。

一部の客からすれば、「誰にも迷惑をかけていないのだから自由」という言い分なのかもしれない。しかし、調理をする側からすれば、パン粉や油にもこだわってひとつの料理として提供しているのに、衣をはがされては元も子もない。また、誰にも迷惑をかけていないとはいえ、見た目に美しくないのも事実。このような食べ方のマナー問題は、とんかつ店に限ったことではない。

・食べる前に卓上の調味料をかける
これは明らかなマナー違反。せっかくおいしく調理しているのだから、まずはそのままの味を食べてほしいもの。

・ラーメンをスープからではなく麺から食べてしまう
マナー違反ではないが、熱々のスープをまずは味わってほしいと考えるラーメン店も少なくない。麺から先に食べてしまった客を追い出すストーリーの漫画もあるほど。

これらの食べ方について、気にする店舗もあればそうでない店舗もあるだろう。もし気になるようなら、提供時に笑顔で一言「最初は、そのまま召し上がってくださいね」と声かけをするだけで、飲食店とお客さまの両方が気持ちよく過ごせるはずだ。

SNS時代だからこその悩み!? 写真撮影のマナー

寿司は握りたてをすぐ食べるのが一番美味しい。なのに、写真撮影やおしゃべりに夢中になっていて、なかなか口に運ばない客がいるというのは有名なエピソードだ。最近では、食べる前に料理の写真を撮るのが、半ば当たり前のようになっている。とはいえ、最低限のマナーは守って欲しいもの。ここでは、Twitterのつぶやきから、マナー違反の例を紹介しよう。

「観光客がカウンターから乗り出して、厨房の中を撮影! 料理なら全然かまわないけど、見せたくないものもあるし、なにより危ないのでやめてほしい」

「ほかのお客様の迷惑にならないよう、素早く目立たず撮影するのがマナーだと思う。できればひと声かけてほしい」

そもそも撮影NGとする飲食店もあるが、客がSNSなどに投稿すれば、店が広く知られるきっかけにもなる。線引きの難しい問題だが、最低限、ほかのお客様の迷惑については考えなくてはいけない。撮影を控えてほしい場合は、毅然と伝えることも必要だ。

持ち込みはやめて! マナー以上の切実な理由

客側が“ついつい”やってしまうマナー違反。しかし、飲食店としてどうしても見逃せないのが無許可の「持ち込み」だ。理由は明白。持ち込みを許してしまうと、正規の料金を払って食事を楽しんでいるほかのお客様に対して不公平になってしまう。さらに、開封済みのペットボトルや弁当の食べ残しなどは食中毒のリスクがある。持ち込みの飲食物にまで、飲食店側は責任をもてない。

ペットボトルの飲料水やお弁当のほか、客が持ち込みがちなのは下記のもの。

・誕生日などお祝いのケーキ
いきなり持ち込んで、「冷蔵庫に保管しておいて」「フォークと取り皿を貸して」というお客も……。

・お酒
これもお祝いなどを理由に、珍しい銘柄の酒を持ち込みたいというお客が存在する。

持ち込みに対しては、事前の確認があれば許可している飲食店も多いだろう。ただし、その場合には“持ち込み料金”を設定しているはずだ。これら急な持ち込みを防ぐには、事前にお客様への周知をしっかりしておくことが大切。例えばホームページに、持ち込みに対しての店の見解を記載するなどの対応が必要だろう。

飲食店とお客様とは、敬意を払い合う関係が理想的だ。お互いが気持ちよく過ごすために、飲食店側の努力はもちろんだが、お客様にも今一度なにがマナーなのかを考えてほしいものだ。

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いずみかな

ライター: いずみかな

グルメやライフスタイル、育児などを中心に編集執筆業をおこなう。2015年からフリーランスとしての業務を開始。タウン情報誌やレストラン情報を扱うWeb媒体で取材や執筆をしており、特にケーキや洋菓子に興味がある。