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飲食店のランチ営業で利益を出すための工夫。成功の鍵は「省力化」「回転率」「強いメニュー」

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ランチ営業で利益を出すために工夫していることは?

今回のアンケートではランチ営業中の経営者を対象に、ランチで利益を出すための工夫についても尋ねた。ランチ営業が伸び悩んでいるという経営者は参考にしてほしい。

「フードメニューは2種類。ドリンクセットやデザートセットでプラス料金を得ている」(東京都/居酒屋・ダイニングバー)
「セットドリンクを値引きして販売するなどして、少しでも客単価を上げる」(神奈川県/専門料理)

ドリンクはメニューの中でも原価率が低く、値下げがしやすい部分。セットにするとお得ということをアピールし、客単価アップを狙おう。

「ディナーメニューと同様の食材を使用することによって、原価管理を徹底しています」(東京都/洋食)
「ディナーでの低価格帯メニューに使用する食材を流用して、食材のロスを減らす」(愛知県/鉄板焼き・お好み焼き)

食材の有効活用は、ランチ営業をする目的としても上げられている。余る食材は、日々変動するので臨機応変に対応できるかが鍵となる。

「セルフサービスを増やしたり、接客が減るようなメニューを作ったりして人件費を減らせるよう工夫している」(埼玉県/居酒屋・ダイニングバー)
「食器の全体数を増やして、洗いものはピーク終了後にまとめて行うなど、可能な限り人件費を節約」(大阪府/居酒屋・ダイニングバー)

利益率を高めるために、まず人件費を削ろうと考える人も多いが、少人数での労働はスタッフの負担が大きい。ただ人員を減らすのではなく、セルフサービスを取り入れるなど、接客面での工夫を積極的に取り入れよう。

Photo by iStock.com/Artit_Wongpradu

「いかにお客様を飽きさせない『日替わりメニュー』を作れるのかが大切」(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー)
「季節によってメニュー構成を変更する」(東京都/和食)

平日のランチタイムは、付近の会社員をリピーターとして獲得するチャンス。日替わりメニューや旬のものを取り入れるなど、常連客を飽きさせないメニュー構成を考えていきたい。

「回転数を上げ、省力出来るようにメニューを一本化」(東京都/フランス料理)
「安価でボリュームのあるランチメニューを提供しても利益率は変わらず、スピード提供で回転率が上がることで短時間営業でもある程度の利益を確保できている」(大阪府/居酒屋・ダイニングバー)

短時間で利益を得るランチ営業では、回転率を上げる工夫は必須。今回の回答でも多くの飲食店から利益を出すために、回転率を上げているという声が聞かれた。メニューの絞り込み(日替わりメニューのみなど)やオペレーションの効率化などを図り、店の回転率を上げていこう。

Photo by iStock.com/Nayomiee

ランチ営業をしないという選択肢もある

最後に、Q1で「ランチ営業をしていない」または「ランチ営業をしていたが辞めた」と回答した人を対象にその理由について尋ねたところ、立地条件や利益率、スタッフの体力的問題など、様々な声が出てきた。ランチ営業をしない選択肢を取った飲食店にはどのような事情があるのだろうか。

「周りに会社がなく、住人しかいなく、ファミレスみたいに平気で4時間居座られる。価格が安い業態でないと、客を回転させるのは難しい」(東京都/フランス料理)
「ランチが売れる場所ではないため」(東京都/カフェ)

ランチ営業をする際に重要なポイントの一つが立地。平日のランチタイムでは、遠方からの客足はあまり見込めないので、「付近に会社がある」など、周囲の環境も踏まえる必要がありそうだ。

「長時間労働を軽減し、社員の健康管理、健康維持、ライフワークバランスを整えることを重視したため」(東京都/和食)
「夜の仕込みと営業に集中するため」(鹿児島県/寿司)

ランチ営業をすると必然的にスタッフの負担も増えてくる。ディナータイムに注力するためにランチ営業をしない選択肢を取る店舗もあるようだ。

「客数に対しての利益が少ない。チェーン店の価格まで下げることができない。人件費の方が高くなってしまう時があったため」(東京都/居酒屋・ダイニングバー)

「利益率が悪い」「儲からない」という声も今回のアンケートでは多く見られた。ランチが経営を圧迫している場合は、一度ランチ営業について考え直してみる必要あるだろう。

ディナーに比べコスパの良いランチは、店を知ってもらうきっかけになるとはいえ、利益に繋がらなければ継続するのは難しい。食材ロスの軽減やオペレーションの効率化など、ひとつひとつの工夫を積み重ねていく必要がありそうだ。

「飲食店リサーチ」について
飲食店リサーチ」では、飲食店を経営する皆さまに、店舗運営に関する様々なアンケートを行っています。 アンケート結果は、飲食店の皆さまに店舗経営のヒントとして活用していただけるよう、レポート記事として公開されたり、 皆さまが利用する業務用商品やサービスなどの開発に役立つデータとなります。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。