ラグビーワールドカップ開幕! 飲食店でスポーツ観戦客を集客する際のポイント

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11月まで日本中がラグビーに熱くなる!
ラグビー世界一を決める国際大会「ラグビーワールドカップ2019」が9月20日に開幕した。初の自国開催、さらに日本チームは2戦2勝と好発進しているため大いに盛り上がっている。ここから11月2日の決勝戦まで、日本全国12会場で40を超える試合が行われる予定だ。
近年、飲食店で食事をしながらスポーツ観戦を楽しむ客が増えてきた。スポーツバーでなくても、ラグビーワールドカップに注目して集客を図っている飲食店も多いのではないだろうか。ここでは、スポーツ観戦を活用した集客方法について改めて紹介していきたい。
放映は著作権侵害になることも! NGポイントは?
観戦客を集客するには、店内でのテレビ放送が欠かせない。ただ、飲食店は不特定多数の人が出入りする場所であるため、方法によっては著作権の侵害となる可能性もある。
サッカーワールドカップの南アフリカ大会が開催されていた時には、山梨県にあるホテルが300インチの大型モニターでパブリックビューイングを行なっていて問題になり、中止を求められた例もある。
問題となった理由の一つは、観戦に2,500円の飲み放題プランを含めていたこと。スポーツ中継は、 著作権法の「映画の著作物」に該当すると考えられているため、営利目的(観戦客から料金を徴収したり、何かしらのものを販売したりすること)で試合を放映する場合、著作権元のFIFAから上映の許諾を得る必要があったのだ。
もう一つの理由は、300インチの大型モニターを使用していたこと。これだけ大きな設備だと、著作権法で許可されている「家庭用受信装置(家庭用テレビ)」に該当するとは言えず、問題視されたというわけだ。

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放映スタイルのOK・NG例を確認
では、飲食店で試合を放映するときに守るべきポイントは何なのか? 重要なのは、
・営利を目的としない(鑑賞料をとらない)
・放送するのは、有線放送でリアルタイムに放送されている番組のみ
・プロジェクターはNG。使用するのは家庭用のテレビ
この3つ。つまり、「そのとき放映されているテレビ番組」を、「鑑賞料をとらずに」に「店内に設置した家庭用テレビ」で流すことは問題がないというわけだ
なかには、「試合を放送時間に見逃した方のために、後日、録画映像を流したい」と考える方もいるかもしれない。著作権には「複製権」という権利が含まれていて、録画した番組を許可なく流すことは、複製権の侵害に当たる。ここにも注意しよう。
告知は拡散効果がある「SNS」を活用して
観戦イベントを売上につなげるには告知が欠かせない。特に、これまで観戦イベントをやったことがない店舗なら、「観戦できる」こと広く知ってもらう必要がある。
店内ポップをつくり既存客に伝えるほか、店舗前のボードでも告知をしよう。そして、拡散効果があるSNSでの告知も欠かせない。事前の告知、当日のリアルタイム投稿、「#(ハッシュタグ)」の活用で、観戦できる店舗を探している方に情報を届けよう。

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観戦に訪れた観光客へのおもてなしも必須
ラグビーワールドカップ2019組織委員会の公式発表によれば、観戦チケットの3分の1は外国人が購入。大会中に約40万人の外国人が訪れると予想している。また、近年の日本にはアジアからの観光客が多いが、大会期間中はヨーロッパやオセアニア地域からのラグビーファンが多く訪れる。これらの地域では、スポーツ観戦にはアルコールが付き物なので、飲食店はアルコールを提供するための準備もしっかりと行っておく必要がある。
なかでも需要が高まると予想されるのが「ビール」だ。オーストラリアやアイルランドをはじめ、ラグビーファンが多い国はビールの消費量が多い。「『キリンビール大学』レポート 2017年 世界主要国のビール消費量」によれば、2017年の国別一人当たりビール消費量は、日本は40.1リットルで世界50位に対し、アイルランドは94.9リットル6位、オーストラリア71.2リットルで22位と、日本人一人の消費量を大きく上回る。「ビールが品切れ!」ということがないよう、十分に提供できるだけの量を準備しておきたいものだ。
放映ルールを守らないことで一番悲しい思いをするのは、試合を楽しみにしているお客さまだ。責任を持って、万全の準備をしたい。また、10月の消費増税の影響から、一時的に外食を控える人が出てくるはずだ。そんな時期だからこそ、ひとつのチャンスと捉えてラグビーワールドカップを集客に活用してみるのもいいのではないだろうか。
