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IT技術で実現する飲食店の未来のカタチ、渋谷のスマートレストラン『フィオーレ』

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株式会社ウェリコのコンテンツマネージャー・石川甚恒氏

ITベンチャーの強みを活かし、約3か月で独自システムを開発

飲食店にITシステムを導入するとなると、開発費用や構築期間、オペレーションの確立などの諸問題を理由に、安易に踏み込めないという店も多い。だが、ウェリコの場合、もともとIT企業としての人材や技術といった資本があるので、開発にかかった費用はほぼ人件費のみ。本社のエンジニアと外部業者を集めてチームを作り、結果、システム開発から導入までは3か月もかからなかった。そうして作り上げたシステムとは、どういうものなのか。ここで、実際に客としてサービスを利用しながら、システム内容を紹介していこう。

まず、来店して席に案内されると、Webアプリのバーコードや利用方法が掲載された伝票を渡される。このバーコードを自分のスマホで読み込み、Webアプリの注文ページへ接続。

付与される来店番号が、いわゆる各客のIDとして認識される

すると、『フィオーレ』の注文用ページがスマホに表示される。店にはバーがあり、アルコールも提供しているので、Webアプリ利用前に未成年の飲酒、飲酒運転などの禁止事項の確認が求められる。

利用前に禁止事項を確認

禁止事項を確認すると注文画面が開き、メニューを検索できるようになる。店のキッチンを担当するのは、『AWkitchen』の総料理長経験を持つ花輪翼シェフ。契約農家が作る野菜、そして市場で仕入れた新鮮な肉・魚を使ったこだわりのイタリアンフードが約30種、ドリンクはソフトドリンク・アルコールなど約50種が用意されている。

スマホに表示されるメニューページは、「フード」「ドリンク」の2カテゴリーに分かれており、フードは「温野菜」「自慢のピザ」「デザート」、ドリンクは「健康ソフトドリンク」「ビール」「サワー・ハイボール」といったタブが配置され、客のメニュー選びのストレスをできるだけ排除したナビゲーションが施されている。ちなみに、カフェタイム・バータイムの時間帯に合わせて、表示メニューの内容は変わるようになっている。

こだわりのイタリアンフードが並ぶ

数あるメニューの中でも、ピザが人気ということで、数種類の中からマルゲリータを選択。各メニューページには、メニュー選びの参考になるよう料理についての簡単な説明文も掲載されている。注文画面でサイズ(ハーフ、レギュラー)と個数を選び、注文を確定。

使いやすいUIも魅力

ここから、主に店側の業務がスタートする。客の注文が確定すると、店内のキッチンに設置されたiPadに注文情報が届くほか、各スタッフが着用しているApple Watchが反応して振動。このように注文や支払いなど、客がスマホで行うアクションはスタッフにすべて共有されるので、各アクションが見逃される心配はない。

料理が完成すると、ホールスタッフが料理を運ぶ。スマホの注文履歴画面は、「調理中」から「提供済」に変わり、料理の味を評価することができる。

ボリュームもある、店自慢の「マルゲリータ」がテーブルに到着

食べ終わった後の支払いは、「お会計」ページで確認。支払い方法は、現金、クレジットカードがあり、さらに一括支払いの「まとめて払い」、人数と金額を指定できる「割り勘」の2種類から選択できる。一部をカードで、その残額を現金で支払ったりすることができるなど、支払い方法についてはかなり融通がきく内容になっており、もちろん領収書の発行も可能だ。

支払い画面では、支払い方法を選ぶことができる

支払いのアクションが完了すると、現金払いの場合はスタッフが現金回収に、またカード支払いの場合は挨拶をしに客のテーブルにやって来る。これで、店の一連のサービスが終了する。

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河田早織

ライター: 河田早織

フリーライター・記者。人、物、コトと社会をつなぐ媒体として、インタビュー・取材レポート等の記事を執筆。主な執筆媒体は、日本の食、教育、医療、不動産など。