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2021年の飲食業界動向をテーブルチェックが予測。コロナ禍で“ハレの日”需要高まる

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平日の客足が回復せず、週末の客足を狙う対策が必要か

続いて、曜日別の平均来店件数を前年同月と比べたデータをみてみると、最も客足が回復したのが、「土曜日(82.3%)」で、次に「日曜日(79.2%)」が続く。一方、平日はランチや接待を目的とした利用が減ってきていることから、どの曜日も前年比の7割前後の来店にとどまっている。

曜日別の平均来店件数の前年比率

なかでも水曜日の客足が伸び悩んでおり、土曜日はGo Toイートが始まった10月に一時回復したのに対し、水曜日は前年より低い水準で推移し続けている。今後もリモートワークなどの新しい働き方は続くとみられ、飲食店は週末や祝祭日の需要獲得が大切になってきそうだ。

水曜日・土曜日の平均来店件数の推移

Go Toイートでランチ需要回復も、ディナーは未だ厳しい状況が続く

時間帯別の来店実績を前年同月と比較したところ、ランチとディナーの回復率に差が出ている様子が見えてきた。新型コロナウイルスの蔓延以降、来店人数はランチ・ディナーともに前年を下回っているが、Go Toイートが始まった10月のランチ来店件数は、前年同月比103.1%、11月は101.4%と、前年の実績を超えている。

一方でディナー帯の来店件数は、一度も前年を超えたことがなく、ランチ帯よりも影響が大きい様子がうかがえる。こうした背景には、夜の街での感染懸念やビジネス需要の減少のほか、飲食店への営業時間短縮要請なども考えられるだろう。ディナーは、利益率の高いアルコールがよく出る時間帯ということもあり、テーブルチェックは、回転率アップや客単価の改善など、何らかの補強策が必要と分析している。

来店件数の推移

コロナ禍では「常連客」の獲得がカギとなる

来店件数における常連比率からは、コロナ禍の飲食店を支えている客層について明らかになった。緊急事態宣言下の4月・5月は、来店5回以上の「常連客」の比率が増加。2019年の4月・5月はともに5%だったのに対し、4月は13%、5月は10%まで伸びている。来店回数が2~4回の「常連予備軍」の割合も伸びており、緊急事態宣言下の飲食店をリピーターが支えている様子がわかった。

来店件数に占める常連比率

1店舗当たりの来店件数を月別に比較した図では、「常連客」の客足が「常連予備軍」や「新規客」に比べ、早い段階で戻ってきている様子も明らかになった。また、テーブルチェックの調査でも、「以前より常連客比率が高かった飲食店では、コロナ禍でも回復が比較的早く、予約で先々まで満席になっている店舗も見受けられる」とのこと。コロナ禍の飲食店経営では、これまで以上に“常連客の獲得”が大切になってきそうだ。

常連区分別の来店件数の比較

テーブルチェックは調査結果を踏まえ、2021年の飲食店は「ブランディング力」「情報発信力」「リピーターの獲得」がさらに大切になってくると分析している。昨今は、SNSを使い飲食店も簡単に情報発信ができるようになってきている。今回紹介した2021年の飲食業界の予測を参考にしつつ、SNSを活用し、ブランディングやリピーターの獲得に努めてはいかがだろうか。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。