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時短営業中の飲食店が実践する集客アイデア4選。朝営業、クレイジーアワー etc...

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午前7時から油そばを500円で提供している『ぶらぶら』

新型コロナウイルス感染拡大を受けて再発出された緊急事態宣言が10都府県で期間延長。飲食店には営業時間を午後8時までとする時短要請が継続して出されている。そうした状況でも集客できるよう、新たな取り組みをスタートさせる飲食店が増えている。緊急事態宣言下で飲食店が取り組んでいる集客アイデアについて、事例を紹介していきたい。

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油そばをワンコインで提供する朝営業「朝ぶら」

東京と神奈川に展開する油そば専門店『ぶらぶら』では、今年1月に緊急事態宣言が再発出されたことにより、午前11時からの開店時間を午前7時に、また閉店時間を午後8時に変更。全8店舗のうち新宿店や藤沢店など、5店舗で朝営業を開始した。

午前7時から11時までの朝営業では、「朝から油そば」=「朝ぶら」と称して、醬油味の油そばを通常690円のところ500円で提供している。並盛から大盛まで同一価格で、テイクアウトも対象だ。

もともと油そば専門店『ぶらぶら』は、特製の麺とタレにこだわった油そばを手頃な価格で味わえることから、幅広い客に支持されてきた。朝営業の実施によってさらにリーズナブルな価格設定になったことで、一定の集客を得られているという。

通常690円で提供される醤油味の油そば

大衆酒場が午前8時からの営業で朝定食を提供

時短要請に応じて朝営業をスタートさせたお店の中には、既存のメニューではなく朝限定のメニューを提供しているところもある。株式会社パートナーズダイニングが東京・有楽町で運営する『大衆きたぎん!』では、緊急事態宣言の発出を受け、営業時間を午前8時からに変更。それにともない、午前8時から11時まで「5種の小鉢の朝定食」(500円)の販売を開始。

朝定食の内容は、ゴボウのきんぴらやほうれん草の胡麻和えなど5種類のお惣菜小鉢に、ごはん、味噌汁、サラダが付いてくるもの。さらにカツオ節でとった優しい風味の出汁も付くので、好みでお茶漬けにすることも可能。タラコと漬物、ごはんは食べ放題だ。充実の内容をワンコインで提供することで、朝食での集客を狙っている。

「5種の小鉢の朝定食」(500円)。小鉢は一例

レモンサワー90分飲み放題が0円になる「クレイジーアワー」

東北のホルモン焼肉文化を発信する『0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭』。一番の特徴は各テーブルにレモンサワーサーバーが設置されていること。客自らがグラスに注ぎ、“待ち時間0秒”のレモンサワーを楽しむことができる。

レモンサワー飲み放題の「0秒レモンサワー」は通常 60分 500円だが、緊急事態宣言下で正午から午後5時までは90分0円で利用できる「ときわ亭のクレイジーアワー」を開始。“ストレスを感じやすいコロナ禍に外食でしか体験できないエンターテイメントを提供したい”という思いで、採算を度外視したキャンペーンの実施に踏み切った。

当初2月7日(日)までを予定していたが、キャンペーンが好評だったことや緊急事態宣言が期間延長となったことを受け、3月7日(日)まで延長して開催される。

レモンサワーはそのまま楽しめるのはもちろん、10種類のフレーバーシロップで甘さや酸っぱさを好みにアレンジすることもできる

休業中の店舗で間借りランチ営業を実施。社員の起業スキルを磨く

神楽坂を中心に都内で6店舗の飲食店を運営する株式会社PURFは、緊急事態宣言を受けて全店舗を休業しながらも、社員による間借りランチ営業を実施。休業中の店舗を活用して、社員が経営のスキルを学ぶことを目的としている。

同社が運営する『bar Jug(バー ジャグ)』で、2月14日(日)〜3月6日(土)の期間に、7人の社員が3日ずつ営業を行う。それぞれが仕入れからメニュー開発、数字管理までを自ら行うことで、実践的な経営スキルを身に付けることを目指している。間借りランチ営業を行う社員は『bar Jug』の店舗使用料のみ会社に支払い、売上から出た利益は全てそれぞれに還元される。

社員が経営者の観点から店を営業することは、仕入れ先との関係構築や数値管理の重要性を学ぶ機会となる。将来的には社員が独立・起業に向けてステップアップできる機会として活用していけるよう、制度をブラッシュアップしながら継続していく予定だ。

間借りランチのチラシ

緊急事態宣言下で、開店時間を早めて朝営業を開始したり、キャンペーンを呼び水に集客を狙ったりと、各社ともアイデアを絞り営業を続けている。そして、こうした新たな営業スタイルのお店を望むお客も多い。まずはお店に合った営業スタイルを見つけ、できる範囲で取り組んでみてはいかがだろうか。

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松尾友喜

ライター: 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。