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2020年の「外食支出」、前年比27.5%減。「ハンバーガー」業態はコロナ前を上回る

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画像素材:PIXTA

総務省統計局が、2020年の「家計調査年報(家計収支編)」を発表した。家計調査年報では、家計支出金額を品目別に確認できるが、今回は、二人以上の世帯における一般外食支出に注目。新型コロナウイルスが猛威を振るい始める前の2019年と比べ、外食に対する支出はどのように変化したのだろうか。

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2020年の外食支出、「ハンバーガー」を除き減少

2020年の二人以上の世帯における一般外食の支出金額は12万921円で、2019年の16万6712円と比べると27.5%減少。新型コロナウイルスの感染拡大による、外食控えやテレワークが影響したものと考えられる。

品目別では、ほぼ全ての支出金額が減少に転じる結果となった。唯一増加となったのは、「ハンバーガー」で、2020年は5,100円と、前年から11.5%増加した。ハンバーガーに代表されるファーストフード業態は、コロナ禍でも業績が好調であり、今回の調査でもその様子がうかがい知れる。

これに対し、「他の麺類外食(1,758円/前年比33.3%減)」や「他の主食的外食(39,142円/同30.2%減)」、「洋食(8,765円/同28.6%減)」は大きく落ち込んだ。「日本そば・うどん(4,883円/同25.5%減)」、「中華そば(5,565円/同22.7%減)」、「和食(18,262円/同20.2%減)」もコロナ前と比べると20%以上減少しており、コロナ禍で外食にかけるお金が減っていることが見て取れる。

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「飲酒代」は前年比52.7%減と、コロナ禍の影響が顕著に

一方で、10%台の減少にとどまっているのが、「すし(12,751円)」で、2019年と比べ14.3%減。「焼肉(5,812円/同17.0%減)」や「中華食(3,956円/同18.4%減)」も洋食などと比べると、落ち込みを抑えられており、コロナ禍でも比較的利用されているようだ。実際、焼肉業態は、換気設備が整っていることから注目され、新たに参入する企業も出てきている。

また、「飲酒代(9,405円)」や「喫茶代(5,523円/同29.5%減)」も大幅に落ち込んだ。とくに2019年に1万9892円あった飲酒代は、前年比52.7%減と大きく減っている。コロナ禍でテレワークが増加したことや、会食の機会が減ったことにより、外でお酒を飲む機会が無くなったことが影響していると考えられる。

今回の調査結果では、品目により大きく結果が分かれる形となった。現在も時短営業や酒類の提供制限を要請されている地域が多く、2021年も飲食店にとって厳しい状況が続くことになりそうだ。

※詳細は総務省統計局のホームページを参照

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。