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飲食店が活用できる「家賃支援」制度まとめ。今後は事業復活支援金の動きも注目!

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新型コロナウイルスの影響によって売上が減少した事業者を支援する「家賃支援給付金」。国の給付事業は今年2月の申請分をもって終了したが、各自治体による支援は現在も続いている。今回は、飲食店へ家賃支援を行う市区町村の中からいくつか事例を紹介したい。

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自治体が独自で実施する家賃支援

■港区(東京都)「新規開業賃料補助金」
港区では新規開業を支援するため、創業当初の経営が不安定な時期に賃料の一部を助成する「新規開業賃料補助金」の応募を12月28日(火)まで郵送で受け付けている。募集枠は25者程度で、応募多数の場合は抽選。対象となる事業者と補助内容は以下の通り。

・一般枠
対象となるのは、令和元年12月1日から令和3年11月30日までに港区内で創業した事業者。1か月あたり5万円を上限に、月額賃料の1/3を補助するもので、期間は令和4年1月から12か月を限度とする。

・生鮮三品販売店舗枠
対象となるのは、平成28年12月1日から令和3年11月30日までに港区内で創業した事業者。1か月あたり10万円を上限に、月額賃料の2/3を補助するもので、期間は令和4年1月から12か月単位で60か月までを限度とする。
※詳細は港区のホームページを参照。

■花巻市(岩手県)「第5弾地代・家賃補助」
花巻市は、新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向にあるが、消費活動は感染拡大前に戻っていないことから、小売業、飲食業、宿泊業、サービス業、卸売業を営む事業者を対象に、第5弾となる地代・家賃補助を実施している。令和3年10月~12月までのいずれか1か月の売上が前年または前々年同月と比較して30%以上減少していることが補助要件。月額10万円を上限に、月額賃料の税別額の1/2以内を補助してくれる。
※詳細は花巻市のホームページを参照。

■神戸市(兵庫県)「中小法人等の家賃サポート緊急一時金(第2期)」
神戸市では、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の適用に伴う休業や時短営業、外出自粛要請等の影響によって、2021年7月から9月の売上が減少している中小法人等の事業継続を支援するため、「中小法人等の家賃サポート緊急一時金(第2期)」を支給。神戸市内で事業のために賃借している建物の家賃3か月分に相当する額の50%を、最大150万円まで支給する。受付は2022年1月7日(金)まで。
※詳細は神戸市のホームページを参照。

■鹿児島市(鹿児島県)「鹿児島市家賃支援金」
鹿児島市では、まん延防止等重点措置に係る営業時間短縮要請等に伴い、売上が減少し、家賃の負担が重くなっている中小企業者等の事業継続を支援するため、家賃支援金の追加給付を行っている。支給金額は月額賃料の2分の1で、1,000円未満切り捨て。なお、給付は1回限りで、法人20万円、個人事業者10万円を上限に支給される。令和3年8月分または9月分のうち、支払済みのいずれか1か月分が対象。申請受付は令和4年1月31日まで。
※詳細は鹿児島市のホームページを参照。

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国は、地域・業種を限定しない「事業復活支援金」を創設

政府は、新型コロナウイルスの経済対策を含む令和3年度補正予算案を決定。新型コロナの影響で売上が減少した事業者への支援として「事業復活支援金」を創設した。

「事業復活支援金」は、中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、地域・業種を限定しない形で、来年3月までの見通しを立てられるよう事業規模に応じた給付金を支給するもの。新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けた中小事業者等の事業の継続・回復を目指す。

対象となるのは、新型コロナウイルスの影響で2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上が50%以下に落ち込んだ事業者。固定費負担の支援として、11月~3月の5か月分の売上減少額を基準に算定した額を一括給付する。上限額は売上高に応じて三段階に設定されており、事業規模・売上減少率に応じて以下のとおり。

■売上減少率50%以上
・個人事業主…50万円
・法人/年間売上高1億円以下…100万円
・法人/年間売上高1億円超~5億円以下…150万円
・法人/年間売上高5億円超…250万円

■売上減少率30~50%
・個人事業主…30万円
・法人/年間売上高1億円以下…60万円
・法人/年間売上高1億円超~5億円以下…90万円
・法人/年間売上高5億円超…150万円
※上限額を6割として給付

申請時期や申請方法については、後日発表される。

新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いているが、飲食店にはコロナ前と比べてまだ完全に客足が戻っていない状況だ。自治体の家賃支援が活用できるのであれば積極的に活用するとともに、今後申請方法が発表される事業復活支援金の申請についても検討してみてはいかがだろうか。

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松尾友喜

ライター: 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。