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【前編】飲食店が「事業再構築」を進めるには? 事業計画見直しの具体的なコツを解説

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画像素材:PIXTA

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その強みを活かして何ができる? 具体的なビジネスモデルを考えよう

次に、再構築後のビジネスモデルを考えることになるが、その際に役立つツールとして「アンゾフの成長マトリックス」というフレームワークを紹介する。

中小企業庁の公式ホームページ「ミラサポplus」より「アンゾフの成長マトリックス」

アンゾフの成長マトリックスとは、成長戦略を、市場(顧客)と商品・サービスの2軸におき、それぞれを新規と既存で切り分けて考えていく方法。経営環境が大きく変化する中、どのような成長戦略をとるべきか考えるうえで、大きなヒントになる。

①新製品開発(新規サービス×既存顧客)
既存の客層に、新しい製品やサービスを投入して、売上を拡大しようとする戦略。新型コロナウイルスの影響で飲食店を営業できなかった店舗が、テイクアウトやデリバリーサービスを始めるといったケースは、これに該当するだろう。

②新市場開拓(既存サービス×新規客)
既存の商品やサービスを、新規の客層に対して提案していくもの。これまでオフィス街や駅前に出店していた店舗が、住宅街やロードサイドに移転するケースなどが該当する。

③多角化(新規サービス×新規客)
新規の客層に、新しい製品やサービスを投入する戦略。地域密着型の飲食店が冷凍製品を開発して、全国に通信販売をするというケースや、焼き鳥をメイン商品としている居酒屋が、新たにチキンバーガーの専門店を展開するといったケースは、商品も市場も新しいため多角化と言える。

既存顧客に既存製品を販売していく考え方もあるが、事業再構築という視点では当てはまらないケースが多いため、今回は除外した。いずれにせよ、コロナ禍で生じたニーズに対して、自社の強みをどう生かすかを検証することは非常に重要であり、それこそが事業再構築を図るうえでの最初の一歩となる。

次回は、事業再構築を実現するための数字面の検証やその施策について紹介していく。

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若林和哉

ライター: 若林和哉

株式会社パートナー経営企画・代表取締役。飲食店の勤務経験や中小企業診断士の資格を生かして、事業計画作成や資金調達の支援、フランチャイズ関連のWebページの執筆やセミナー講師などを務める。好きなお店は、ラーメン・カフェ・日本酒のおいしい居酒屋など。https://パートナー経営企画.com/