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外食市場規模、5か月連続で前年超え。居酒屋はコロナ前の65%まで回復

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画像素材:PIXTA

リクルートの外食市場調査・研究機関である「ホットペッパーグルメ外食総研」は、2022年4月度の外食市場調査結果を発表。外食市場規模は5か月連続で前年同月を超え、コロナ禍以前の71.8%まで回復するなど好調な回復ぶりだ。

同報告によると、2022年4月の外食市場規模(東名阪3圏域計)は2,460億円。これは同年前月比+850億円で、コロナ禍以前の2019年4月と比べても71.8%まで回復していることを示す。また業態別の統計で見ても、主要な16業態全てにおいて2か月連続で前年同月を超える結果となった。特に居酒屋・バー・カラオケ・ナイトクラブなど飲酒を主体とする業態は、前年同月比2倍以上の伸びを記録した。

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■調査概要
調査時期:2022年3月22日~3月30日
調査対象:首都圏・関西圏・東海圏在住の20~69歳の男女
調査定義:夕方以降の食事におけるイートイン利用で、1日2軒までを対象
有効回答数:5,565件
※詳しい調査結果はこちら

外食実施率、頻度ともに上昇傾向。外食単価はコロナ禍前まで回復

まず「外食実施率」について見てみると、64.4%と前月より3.6pt上昇、前年同月と比べると13pt上昇した。地域別では、首都圏64.1%(前年比+12.6pt)、関西圏64.3%(同+16.3pt)、東海圏65.7%(同+8.6pt)と、いずれも高い伸び率を見せた。ちなみに今回の調査では、夕方以降の食事において、居住圏域内での1日2軒までのイートインを利用した場合を対象としている。そのため旅行などでの圏域外での外食や、同圏域内でのテイクアウトは含んでいない。

「外食実施率」外食市場調査(2022年4月度)より

続いて外食実施者の1か月あたりの平均外食回数を指す「外食頻度」は3.72回で、前月比+0.2回、前年比+0.36回となった。地域別では、首都圏3.88回/月(前年比+0.35回)、関西圏3.55回/月(同+0.40回)、東海圏3.45回/月(同+0.38回)と、いずれも数値を増やしている。

「外食頻度」外食市場調査(2022年4月度)より

また1回の外食にかける「外食単価」は全体平均で2,579円と、前月比+99円、前年比+273円と好調な推移を記録した。これはコロナ禍前の2019年同月比99.1%にあたり、同水準に回復したと見て取れる。地域別に見ると、首都圏2,683円(前年比+292円)、関西圏2,598円(同+354円)、東海圏2,111円(同+45円)となった。

「外食単価」外食市場調査(2022年4月度)より

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居酒屋業態は前年同月より249億円増の急成長

上記の結果から2022年4月の「外食市場規模」は、3圏域合計で2,460億円(前年比+850億円)となり、市場規模は5か月連続で前年比増を記録した。コロナ禍前の2019年同月比は71.8%、先月の58.5%(2019年同月比)から大幅な改善を示している。

「業態別外食単価・延べ外食回数」外食市場調査(2022年4月度)より

業態別に外食市場規模を見てみると、外食産業の主要16業態、全てが2か月連続で同年前月比を上回っている。中分類別で見ると、食事主体業態で前年比139.8%、飲酒主体業態で同197.5%、軽食主体業態で同150.5%と、いずれも大幅に増加した。

特にその伸び率が顕著なのは居酒屋業態で、市場規模前年比200.4%(前年比+249億円)の急成長となった。コロナ禍で大きな影響を受けた居酒屋業態だが、コロナ以前の2019年同月と比べて65.8%まで回復している。

以上のように2022年4月度の外食市場調査の結果によれば、外食市場規模や客足は月を追うごとに改善していることがわかる。時短営業などで長らく苦しんだ外食産業だが、少しずつ回復へと向かっているようだ。

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。