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東京・大阪は飲食店の規制を回避する方針か。新型コロナ第7波、各地の対応は?

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7月13日時点で、国内の新規コロナウイルス感染者は94,493人、前週の2倍超だ。オミクロン株BA.2よりさらに感染力が強いとされる、オミクロン株新系統のBA.5への置き換わりが進み、急激な感染拡大に直面している。専門家は新型コロナウイルスの感染拡大の第7波に入ったと指摘する。

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特に急激な感染拡大を記録した島根県は、7月7日より県内全域で飲食店の利用制限を開始した。一方で政府や東京都、大阪府などは飲食店の利用制限は実施しない方針だ。長く続いた飲食店の営業制限が解除され、徐々に客足が戻ってきた矢先の再拡大。感染防止と経済活動の両立を目指すなか、各自治体によって行動制限をめぐるスタンスに違いが出ている。

感染急拡大の島根県、15日より飲食店の利用制限をさらに厳しく

島根県では7月7日時点で、過去最多となる595人の新規感染者が確認された。前月13日にはわずか6人だったところから、1か月でおよそ100倍の急拡大である。人口10万人あたりでみても、沖縄に次ぐ全国2位の高水準だ。県内感染者の8割近くはBA.5に置き換わっており、島根県はBA.5への置き換わり先進地域だと言える。

これを受けて島根県の丸山知事は地域の医療崩壊を防ぐためとして、県全域の飲食店を対象に利用制限を要請した。さらに、15日からは隠岐地域を除き、利用人数を4人以下とするよう要請(隠岐地域は8人以下)。利用時間については、県の感染防止対策の基準を満たした「認証店」は3時間以内、それ以外は2時間以内とする。

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東京・大阪は飲食店の利用制限を回避したい方針

一方で専門家や政府は13日現在、行動制限を行わない考えを示している。11日、岸田総理と協議を終えた政府分科会の尾身会長は、「現段階では行動制限は不必要ではないか」と発言。松野官房長官も13日の記者会見で「現時点で行動制限を行うことは考えていない」と述べた。

東京では12日時点で約4か月ぶりに新規感染者数が1万人を超え、BA.5へ置き換わるとともに感染が急拡大している。病床使用率は一時41%を超えたが、約7,000床に増床し29.8%に下げた。この病床利用率を背景に小池都知事は、ワクチン追加接種の呼びかけをするも、飲食店の利用制限については言及していない。

大阪府の吉村知事は11日、府独自の警戒度を引き上げながらも、飲食店の営業制限に関して明言していない。また大阪市の松井市長は7日、記者団の取材に対し感染拡大を懸念しながらも、「最終的には知事に従うが、客が戻って来たばかりの飲食店の狙い撃ちはやめてもらいたい」と飲食店擁護の姿勢をみせた。

千葉県の熊谷知事は7日の定期会見で、第7波に突入しつつあるとの認識を持ちながらも、飲食店の営業制限は考えていないと述べた。県民へは基本的な感染防止対策の徹底を促しつつも、熱中症防止の観点から必要のない場面ではマスクを外すことを推奨する、といった発言もあった。

コロナ禍に入り3度目の夏。第7波を迎えた今、行動制限に対する考えや方針は自治体によってさまざまだ。引き続き、病床使用率の推移、そして行政の発表に注目したい。

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。